肯定力で変える職場の空気 │ 魔法の言葉「なるほどね~」
「坂田さん、なんか雰囲気が変わってきましたよ。」
と、若手リーダーからメールが届きました。
このリーダーは、会議を開いても雰囲気が重く、意見やアイデアもなかなか出てこない事に、悩みを抱いていました。
原因は、前任の課長が意見を言ったりすると
「で?それがどうしたの?」
を口癖のように言い続けていて、これに対してメンバー達が何も言えなくなってしまった、とのこと。
この雰囲気をすぐにでも変えたいと、私のもとに相談がきていました。
このとき、私がアドバイスしたことは、
「なるほどね~」 でした。
今回は、会議やミーティングでの発言を活かし、参加者の気持ちを前向きにさせるファシリテーションテクニックについておはなしします。
肯定的な反応
会議を盛り上げるには、ちょっとした工夫。
「なるほどね~」という肯定的な反応は、会議を活発にし、笑顔や笑い声を増やしたり、会議の雰囲気が改善され、参加者間のコミュニケーションがより円滑になります。
「なるほどね~」は、「あなたの言っていることを聞いて、理解しましたよ。」という相手にとって肯定的な意味が込められています。
これは、発言をした人にとって、ポジティブなフィードバックとして受け止められやすく、発言者は自身の意見や発言が理解され、受け入れられていると感じ、自信を持つことができるのです。
また、人は、他者からの肯定的な反応や支持を得ると、さらにその行動を続けたくなる心理があります。
理解されている!受け入れられている!ウケている!と感じると
「もっと発言をしたい!」「もっと、話し続けたい!」となるのです。
「なるほどね~」という反応は、発言者に対する社会的な支持(ソーシャルリインフォースメント)を示しており、発言者が「もっと発言をしたい!」というモチベーションを高めます。
また、リーダーのメールには「誰かが発言をしたら、”なるほどね~”という言葉をみんなで言ってみる。」というルールを会議の中に取り入れたそうです。
すると「なるほどね~」と反応すると、会議室内に笑いが起こったというのです。
これにより、発言者と他の参加者の間に親近感が生まれ、リラックスした雰囲気を醸し出し、笑いを誘うようになります。
心理的安全性
肯定的な反応は、会議の参加者全員にとっての心理的安全性を高めます。
心理的安全性が高まると、参加者は安心して意見を述べたり、冗談を言ったりすることができるため、自然と笑いが増えるのです。
笑いは伝染しやすいもので、一人の笑い声が他の参加者にも伝わることがあります。
私たちの脳には、ミラーニューロンという「ものまね神経」があり、他人の感情や思いを自分の心の中に映し出す機能を持っています。
誰かが笑うと、自分も笑う。誰かが楽しいと、自分も楽しい。
この反応は、ミラーニューロンが活性化されて起こる感情の変化なのです。
この、ミラーニューロンの働きにより、一人が「なるほどね~」と笑顔で反応すると、他の参加者も同じように笑顔になり、笑いが広がるのです。
さらには、肯定的な反応を続けることで、オキシトシン(信頼関係や絆を深めるホルモン)とドーパミン(快楽や報酬に関連する神経伝達物質)が脳内で分泌されます。
これにより、会議の参加者間の結びつきが強まり、リラックスして楽しい雰囲気が生まれます。
私は、この原理原則を背景に「なるほどね~」を多くのリーダーに勧めています。
私に相談をしてくれたリーダーは、
「メンバーが私の知らない細かい事や、困り事なども話してくれるようになり、職場の中で何が起きているのか把握しやすくなりました。」
と話していました。
この小さな情報は、チームのリスクを見極め、事前に対策をとることができる貴重なものです。
変わり始めた職場の雰囲気。
大切に育て続けてほしいと思います。
ポジティブなフィードバック
オキシトシンとドーパミンの効果
ミラーニューロンの活性化
会議を盛り上げるには、ファシリテーションが効果的。
「なるほどね~」
会議出席者全員で、使ってみませんか?
毎週月曜日に「改善ファシリテーション」をテーマとしたコラムを更新、
火曜日にメールマガジンを配信しております。是非ご登録ください。(ご登録は無料です)
体験セミナーのお申し込みはこちらから
お気軽にお問い合わせください
国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。