• ホーム
  • コラム
  • ハラスメント研修の目的とは?管理職・一般社員向けの研修内容についても解説
コラム

ハラスメント研修の目的とは?管理職・一般社員向けの研修内容についても解説

目次

ハラスメント研修の企画・実施に頭を悩ませていませんか?

「パワハラと指導の境界線をどう教えれば良いのか」「研修を実施しても効果が実感できない」「どのような研修形式を選べば良いか迷っている」といった声は、多くの人事担当者から聞かれます。

2020年の法改正により、すべての企業にハラスメント防止措置が義務化されました。
しかし、単に法令を守るだけでは、真に働きやすい職場は実現できません。
重要なのは、従業員一人ひとりがハラスメントを正しく理解し、日々の業務において相手の立場や感情に配慮したコミュニケーションを実践できる職場文化を築くことです。

本記事では、数多くのハラスメント研修を手がける株式会社ナレッジリーンが、ハラスメント研修の目的と内容について詳しく解説します。

ハラスメント研修とは

ハラスメント研修とは、職場におけるあらゆる嫌がらせや迷惑行為を防止し、健全な職場環境を構築するために実施される教育プログラムです。
この研修では、セクハラ、パワハラ、マタハラなど様々なハラスメントの定義や事例について学び、参加者は自分の言動を振り返ることで無意識のハラスメント行為に気づけるようになります。

さらに、ハラスメントを未然に防ぐための具体的な防止策や、実際に問題が発生した際の適切な対応方法も習得。
これにより、ハラスメントによる訴訟リスクや企業イメージの低下を防ぎ、従業員が安心して能力を発揮できる職場環境をつくれます。

ハラスメント研修が必要な理由

ハラスメント研修が必要な理由は、2020年に施行された労働施策総合推進法の改正にあります。
この法改正により、職場におけるパワーハラスメント防止措置が事業主の法的義務として明確に位置づけられました。

当初は大企業のみが対象でしたが、2022年4月からは中小企業にもこの義務が拡大され、企業規模を問わずすべての事業主がパワーハラスメント防止に取り組むことが求められるようになりました。
これは単なる努力義務ではなく、法的な義務として企業に課せられているため、適切な対策を講じない場合は法令違反となる可能性があります。

しかし、ハラスメント研修の必要性は法令遵守の観点だけにとどまりません。
実際にハラスメントが発生してしまうと、職場の生産性が著しく低下し、優秀な人材の流出を招くだけでなく、企業イメージの悪化という深刻な問題を引き起こします。
そのため、ハラスメント研修は法的義務を果たすためだけでなく、健全な職場環境を維持し、企業の競争力を保つためにも不可欠な取り組みといえるのです。

参考:職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!|厚生労働省

ハラスメント研修の目的

ハラスメント研修を実施する目的は、以下2つです。

  • 判断が難しいグレーゾーンについて学ぶため
  • 心理的安全性の高い職場を作るため

判断が難しいグレーゾーンについて学ぶため

職場では暴行や暴言といった明らかなハラスメント行為よりも、判断が難しいグレーゾーンの言動に直面することが多いです。
こうした曖昧な状況への対処法を学ぶことがハラスメント研修の重要な目的の一つとなっています。

株式会社ナレッジリーンが実施するハラスメント研修では、実際の現場で起きうる以下のような事例を扱います。

  • ワーキングマザーに配慮して仕事を極端に減らしてしまうケース
  • 褒め言葉のつもりがセクハラに該当するケース
  • 貧乏ゆすりや舌打ちといったサイレントハラスメントに該当するケース

これらのケーススタディを通じて、参加者は曖昧な状況を的確に読み取り、適切な判断と行動ができる状態を目指します。

心理的安全性の高い職場を作るため

ハラスメント研修のもう一つの重要な目的は、心理的安全性の高い職場環境を構築することです。
近年、多くの職場で管理職がハラスメント発生を恐れるあまり、部下への適切な指導やフィードバックを躊躇してしまう状況が生まれています。
叱ることも褒めることもできなくなった管理職の下では、チーム内の対話が減少し、メンバーが自由に発言できない硬直した職場環境が形成されてしまいます。

しかし、ハラスメント研修の本質的な目的は、単にハラスメント行為を防止することだけではありません。
すべてのメンバーが安心して意見を述べ、建設的な議論ができる職場環境づくりを目指しています。
研修を通じて管理職は、ハラスメントにならない適切なビジネスコミュニケーションの方法や、効果的なマネジメントスキルを習得します。
これにより、部下との良好な関係性を築きながら、必要な指導やフィードバックを自信を持って行えるようになるのです。

ハラスメント研修の内容

ハラスメント研修の内容は、企業が抱える課題や対象となる受講者の立場、確保できる研修時間などによって大きく異なります。
本記事では、管理職向けと一般社員向けのハラスメント研修について紹介します。

管理職・中間管理職向けのハラスメント研修

管理職・中間管理職向けのハラスメント研修では、自身が加害者にならないための知識習得と、部下との適切なコミュニケーション方法について学びます。

具体的には、まず組織にとってハラスメント対策が重要な理由を法的な観点だけでなく、チームの生産性や従業員のモチベーション、企業文化の観点から学習します。
続いて、セクハラ、パワハラ、マタハラなど各種ハラスメントの定義や判断基準について詳しく学び、どのような行為が該当するのかを明確に理解します。

研修の中核となるのは、職場で実際に起こりうるシーンを題材としたケーススタディです。
例えば、業務上の指導とパワハラの境界線、プライベートな話題がセクハラになるケース、無意識の偏見がマタハラにつながる事例など、管理職が直面しやすい具体的な場面を取り上げます。
これらのケーススタディを通じて、参加者は自身の行動を客観的に振り返り、適切な対応方法を実践的に学ぶことができます。

関連記事:管理職研修の内容完全ガイド|研修内容を決定する際のポイントも解説

一般社員向けのハラスメント研修

一般社員向けのハラスメント研修では、自身が加害者にならないための知識習得に加え、被害者・目撃者としての適切な対応方法を学びます。

研修では、実際の職場で起こりうるハラスメントのケーススタディを通じて、参加者同士でディスカッションを行い、実践的な対応スキルを身につけます。

特に重要なのは、ハラスメント被害にあった際の相談窓口の利用方法です。社内外の相談先と具体的な手順を理解することで、問題を一人で抱え込まず、適切な支援を受けられるようになります。

また、ハラスメントを目撃した場合も、見て見ぬふりをせず、被害者をサポートし適切に報告する方法を習得します。これにより、組織全体でハラスメントを防止する文化を醸成できます。

株式会社ナレッジリーンでは、対象者や確保できる時間に応じて、研修内容を柔軟にカスタマイズできます。研修を実施して終わりではなく、eラーニングや復習用ワークシートなどハラスメント研修の効果を定着させる支援も対応可能です。

ハラスメント研修サービスの詳細はこちら

ハラスメント研修の形式

ハラスメント研修の形式と各形式の特徴やメリット・デメリットは以下の表のとおりです。
株式会社ナレッジリーンでは、対面・オンラインいずれの形式にも対応しております。

形式 

特徴メリットデメリット向いている企業
講師派遣型

対面・講師訪問

双方向性が高い、社内事例を反映可能

講師費用・調整コストが高い大人数研修/事例を扱いたい企業
eラーニング個人学習好きな時間に受講可、管理しやすい双方向性が低い、形骸化しやすい拠点が多い/コストを抑えたい
オンライン研修Zoom等リアルタイム双方向性+移動不要ネット環境依存、時間拘束あり中規模組織/分散拠点あり

講師派遣型研修

講師派遣型研修は、ハラスメント防止の専門知識を持つ講師が企業に直接訪問して行う対面式の研修です。
この形式の最大のメリットは、参加者との双方向のコミュニケーションを通じて、深い学びを実現できることです。

研修中は質疑応答やグループディスカッションを活発に行えるため、参加者は疑問点をその場で解決し、他者の視点からも学ぶことができます。
また、講師は受講者の表情や反応をリアルタイムで観察し、理解度に応じて説明方法や進行スピードを柔軟に調整します。

このような対面ならではの特性により、企業固有の事例を取り入れた実践的な研修や、参加者一人ひとりの課題に寄り添ったきめ細やかな指導が可能となります。
結果として、単なる知識の習得にとどまらず、実際の職場で活用できる実践的なスキルの獲得につながるのです。

eラーニング

eラーニング形式のハラスメント研修は、インターネットを通じて受講できるオンライン学習システムです。
この形式の最大の特徴は、時間と場所の制約を受けずに学習できる柔軟性にあります。
従業員は自分のペースで、業務の合間や都合の良い時間帯を選んで受講することができるため、通常業務への影響を最小限に抑えながら研修を完了させることが可能です。

特にシフト勤務を採用している企業や、全国各地に拠点を持つ企業にとって、eラーニングは理想的な研修形式といえます。
全従業員を一箇所に集めることが困難な状況でも、インターネット環境さえあれば誰もが同じ内容の研修を受けられるため、組織全体で統一されたハラスメント防止の知識を共有することができます。

また、各従業員の受講履歴や理解度テストの結果が記録されるため、人事部門は誰がいつ研修を完了したか、どの程度理解しているかを一元的に把握することができます。
これにより、未受講者へのリマインドや、理解度が不十分な従業員への追加フォローなど、きめ細やかな研修管理が可能となります。

オンライン研修

オンライン研修は、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールを活用して行われます。
参加者は各自のパソコンやタブレットから研修に参加し、講師の説明を聞きながら、チャット機能や音声通話を通じて質問や意見交換を行うことができます。

eラーニングは事前に収録されたコンテンツを視聴する形式であるのに対し、オンライン研修では企業のニーズに応じて研修内容を柔軟に調整できます。
また、ブレイクアウトルーム機能を活用したグループワークや画面共有による資料説明など、対面研修と遜色ない充実した研修プログラムを実現できます。

コスト面においても、講師や受講者の移動時間が不要となることで、交通費や宿泊費などの諸経費を大幅に削減できます。
さらに、会場の手配や設営といった準備作業も不要となるため、人事や総務などの研修担当者の負担も軽減されます。

まとめ

ハラスメント研修は、法令遵守の観点だけでなく、健全な職場環境を構築し、企業の持続的な成長を支える重要な取り組みです。
2020年の法改正により防止措置が義務化されましたが、その本質は従業員が安心して能力を発揮できる環境づくりにあります。

本記事では、講師派遣型、eラーニング、オンライン研修という3つの形式を紹介しました。
講師派遣型は双方向性が高く自社事例を反映できる一方、eラーニングは時間と場所を選ばず受講可能、オンライン研修は専門講師による指導とコスト削減を両立できるという特徴があります。

研修を依頼する際は、自社が抱える課題を明確にし、それに対応したプログラムを選択することが重要です。
また、研修後の定着支援やフォローアップ体制についても事前に確認しておくことで、継続的な職場改善につなげることができます。
株式会社ナレッジリーンでは、各企業の課題やニーズに沿ったハラスメント研修を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

体験セミナーのお申し込みはこちらから

お気軽にお問い合わせください

お気軽に私たちにご相談ください

 03-6450-1877(受付時間 平日10:00~18:00)
scroll