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問いが変われば景色が変わる | 問題を原理原則で読み解く為の問いかけとは

目次

「専門じゃないのに、話が通じる瞬間ってありませんか」

現場で感じた小さな違和感

初めて訪れる会社の会議室で、少しだけ空気が張りつめる瞬間があります。
「今回は、外部から講師の方に来ていただいています」
そう紹介されながら、どこかでこう思われている気配を感じることがあります。

  • うちは、ちょっと特殊だから
  • 業界が違う人に、分かるだろうか

もし、あなたが管理職やリーダーの立場なら、似たような場面を見たことがあるかもしれません。あるいは、自分自身がその空気を作ってしまった側だったことも、一度や二度ではないのではないでしょうか。

それは、決して悪意からではありません。
現場を守ってきた人ほど、「簡単には分からない」という感覚を持つのは、とても自然なことです。
私自身も、さまざまな業種・業界の現場に伺う中で、何度もその空気を感じてきました。

正直に言えば、最初から「分かっている顔」をしようと思ったことはありません。
むしろ、分からないことだらけです。

それでも、不思議な瞬間があります。
話をしているうちに、図面や資料を見ているうちに、あるいは現場を一緒に歩いているうちに、ふっと空気が変わる瞬間があるのです。

「あ、話が通じたな」そう感じる瞬間です。
専門用語を細かく知らなくても、業界の常識をすべて理解していなくても、なぜか、同じところでうなずいている。
そのとき私は、いつも少し不思議な気持ちになります。

「なぜ、話が通じたのだろう。」

地図にたとえるなら、使っている言葉は違っていても、どうやら同じ山を指している。
登山ルートは違うのに、目指している頂上は同じ。
そんな感覚です。

もし、あなたの職場でも、「この人、専門じゃないのに話が分かるな」そう感じた経験があるなら、そこには偶然以上のものがあるのかもしれません。
私は、ある時から、その理由を「専門性」ではなく、別のところに求めるようになりました。それが、原理原則という考え方です。ただし、ここで難しい話をしたいわけではありません。
原理原則という言葉を、堅い理論として使いたいわけでもありません。
私の中での原理原則は、とてもシンプルです。 

原理とは、「そもそも、どういう仕組みで動いているのか」。
 原則とは、「その仕組みが、ちゃんと動くための条件は何か」。

たとえば機械なら、どう動くのかという構造があり、電圧や摩擦、温度といった条件があります。
人や組織も、実はとてもよく似ています。
役割分担という仕組みがあり、人の心理状態、情報の流れ、関係性といった条件がある。
業界が違っても、使っている装置や製品が違っても、この「仕組み」と「条件」を見ていくと、不思議と話が通じ始めるのです。

ここで大事なのは、「知識がいらない」という話ではありません。
知識も、経験も、業界理解も、もちろん大切です。
ただ、それだけに頼っていると、環境が変わった瞬間に、思考が止まってしまうことがあります。

逆に、原理原則で物事を見ていると、初めての現場でも、「まず、何を見ればいいか」が分かる。
これは、何か特別な才能があるからではありません。
むしろ、「分からない前提」に立てているかどうか、その違いだと感じています。

  • 分からないからこそ、仕組みを見る。
  • 分からないからこそ、条件を一つずつ確かめる。

その姿勢が、結果的に「話が通じる」状態を生む。

もし今、あなたが「うちの職場は特殊だから」そう感じているとしたら、それは間違いではありません。本当に、どの職場にも固有の事情があります。

でも同時に、その職場にも必ず、仕組みがあり、条件があります。
そして、それは、外から来た人にも、中にいる人にも、一緒に見に行くことができるものです。
今回のコラムでは、私が現場で感じてきた、そんな「小さな違和感」や「立ち止まり」を手がかりに、人がなぜ間違えるのか、なぜ考えているのに前に進まないのか、そして、どうすればもう一度、考える力を取り戻せるのかを、一緒にたどっていきたいと思っています。

無理に納得しなくて大丈夫です。
すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
もし、どこかで「これ、うちのことかもしれない」そう感じる一節があれば、それだけで十分です。
そこから、また考え始めることができるのですから。 

「ちゃんとしている人ほど、ミスに悩んでいませんか」

責めても減らない理由を、いっしょに考えてみる

職場でヒューマンエラーが起きたとき、決まって聞こえてくる言葉があります。

「ちゃんと確認するように言っていたんですけどね」
「今までは問題なかったんです」
「もう少し注意していれば、防げたはずです」

もし、あなたが管理職やリーダーの立場なら、この言葉を口にしたことがあるかもしれません。
あるいは、誰かがそう言うのを、何とも言えない気持ちで聞いていた側だったかもしれません。

ここで、少し立ち止まって考えてみてください。
ミスを起こしたのは、本当に「いい加減な人」だったでしょうか。
責任感がなく、仕事を軽く考えていた人だったでしょうか。

私が現場で出会ってきた多くのケースでは、答えはほとんどの場合、違います。

むしろ、真面目・責任感が強い・周囲から信頼されている。
そういう人ほど、ミスに深く悩みます。

「自分が悪かったんです」「もっと気をつけます」そう言いながら、視線を落とす姿を、私は何度も見てきました。
そのたびに、心の中で、同じ問いが浮かびます。
「この人を、これ以上責めても、本当に同じミスは減るのだろうか。」

もし、あなたの職場でも、似たような場面を見たことがあるなら、その違和感は、とても健全なものだと思います。
実は、認知心理学や脳科学の分野では、人がミスをする理由について、かなり前から分かっていることがあります。

それは、人は「見えているもの」を、必ずしも見ていないという事実です。

たとえば、毎日通っている道に、新しい工事の看板が立っていたのに、まったく気づかなかった、という経験はありませんか。

視界には入っている。でも、認識していない。
これは、注意力が低いからでも、意識が足りないからでもありません。

脳は、すべての情報を同じ重さで処理できません。
だからこそ、「今は重要ではない」と判断したものを、無意識のうちに切り捨てています。これは、脳が怠けているからではなく、生きるために、とても合理的な仕組みです。
脳は、常に省エネで動こうとします。

慣れた作業、いつも通りの手順、これまで問題なく進んできた流れ。
そうした状況では、脳は「大丈夫だろう」と判断し、細かい確認を省略します。

だからこそ、ちゃんとしている人ほど、ミスをします。
責任感があるから、全体を見ようとする。
仕事を止めたくないから、スピードを優先する。
その結果、注意の焦点がほんの一瞬ずれただけで、ミスは起きてしまう。

これは、意識の問題でも、気合の問題でもありません。
人間の認知の原理なのです。
ここまで読んで、少し肩の力が抜けた方もいるかもしれません。

「自分がダメだったわけじゃなかったんだ」
もしそう感じたなら、この章は、すでに大切な役割を果たしています。

では、ここで一つ、もう一歩だけ踏み込んでみましょう。

ヒューマンエラーを「人は間違える存在だ」という前提で見直してみると、それまで気づかなかったものが、少しずつ見え始めることがあります。

これまで、「たまたま」「仕方がない」で片づけていた現象。
誰もが感じていたけれど、言葉にされなかった違和感。

原理原則で物事を見る、というのは、特別な分析手法を使うことではありません。
「そもそも、どういう仕組みで動いているのだろう」
「その仕組みが成り立つための条件は、何だったのだろう」
そう問い直すだけで、視界が少し広がります。

すると、今まで原因だと思っていたものが、実は結果だったことに気づくことがあります。
逆に、見落としていた条件が、静かに浮かび上がってくることもあります。

たとえば、注意力の問題だと思っていたミスが、実は情報の配置や、作業の流れそのものに無理があった、というケースは、決して珍しくありません。

ここで大切なのは、「見えていなかった自分」を責めないことです。
見えなかったのは、能力が足りなかったからではありません。
ただ、そこに目を向ける枠組みが、今までなかっただけなのです。

原理原則で考えるようになると、世界が一気にクリアになる、そんなことはありません。
でも、これまでと同じ現場を見ているはずなのに、「あれ?」と感じる瞬間が、少しずつ増えていきます。

その「あれ?」こそが、新しい現象や原因に気づく入口です。
そして、多くの人が、次にこんな感覚を抱きます。

「ちゃんと考えているはずなのに、なぜか前に進まない。」

それは、考えが足りないからでも、能力が低いからでもありません。
むしろ、考え方の立ち位置が、少しだけずれている。
ただ、それだけなのです。

続いては、その「考えているのに前に進まない感覚」がなぜ生まれるのかを、原理原則の視点から、一緒にほどいていきたいと思います。

無理に答えを出さなくて大丈夫です。
今はただ、「気づける余地が、まだある」そう感じてもらえたら、それで十分です。

「考えているのに、前に進まない感覚」

それは、努力不足ではありません

会議が終わったあと、こんな感覚が残ることはありませんか。

  • 話し合いは、ちゃんとした
  • 意見も出た
  • 原因も挙げた
  • 対策も決めた

それなのに、どこか胸の奥に、小さな引っかかりが残る。

これで、本当に前に進んだのだろうか・・・・・・。
もし、あなたがそんな感覚を覚えたことがあるなら、それは決して珍しいことではありません。
むしろ、多くの現場で、とても頻繁に起きている感覚です。

私は、いろいろな会社の会議や打ち合わせに立ち会う中で、この「前に進んだはずなのに、進んでいない感じ」に何度も出会ってきました。

会議室を出た瞬間、誰かがぽつりとつぶやくことがあります。
「結局、いつもと同じだよね。」その一言に、その場にいた全員の本音が、静かに重なっていくのを感じることがあります。

ここで、一つだけ大切なことをお伝えしたいのですが、この状態は、考えていないから起きているわけではありません。
むしろ逆です。

多くの場合、真面目に、誠実に、一生懸命考えているからこそ、この壁にぶつかります。
では、なぜなのでしょうか。
その理由を考えるために、少しだけ、「考え方の位置」を変えてみたいと思います。

登山に例えてみてください。
山に登ろうとするとき、普通はまず、「どの山に登るのか」を確認します。
ところが、現場の問題解決では、無意識のうちに、こんなことが起きがちです。

この山に登る!と、最初から決めてしまっている。
つまり、結論やゴールが先に決まっている状態です。

「原因は、たぶんこれだろう」
「対策は、前回と同じでいこう」
「これ以上、時間はかけられない」
そう考えること自体は、悪いことではありません。

忙しい現場では、ある意味、とても現実的な判断です。
ただ、その瞬間から、思考の自由度は、一気に狭くなります。

地図を描く前に、登る山を決めてしまう。
しかも、その山が本当に正しいかどうか、確かめる前に。

これが、「考えているのに、前に進まない」感覚の正体の一つです。
もう一つ、よく見られるのが、問いが曖昧なまま、考え続けている状態です。

「なぜ、ミスが起きたのか」
「なぜ、うまくいかなかったのか」
一見すると、とても正しい問いに見えます。

でも、ここには、少しだけ落とし穴があります。
この問いは、どこを向いているのかが、はっきりしていないのです。
人なのか。仕組みなのか。条件なのか。環境なのか。

問いの向きが定まっていないと、答えは、どうしても「分かりやすいところ」に
集まってきます。

そして多くの場合、その分かりやすい答えは、「人」に向かいます。
「確認が足りなかった」「意識が低かった」「慣れがあった」
こうして、話はまとまったように見えます。

でも、どこかで感じるのです。
「これ、前にも聞いたな。」「前回も、同じ結論だったな。」
この時、現場では何が起きているのでしょうか。

実は、問いが、原理原則に届いていない。
ただ、それだけなのです。
原理原則で考えるというのは、難しい分析をすることではありません。
順番を少しだけ変えることです。

まず、「本来、どう動く仕組みだったのか。」
次に、「その仕組みが成立するための条件は何か。」
この二つを飛ばしたまま、原因を探そうとすると、どうしても、表に見えている現象だけをぐるぐる回ることになります。

その結果、「考えている感覚」はあるのに、「前に進んでいる実感」が持てなくなるのです。

ここで、とても大切なことがあります。
それは、この状態に陥るのは、能力が足りないからではない、ということです。

むしろ、経験が増え、判断が速くなった人ほど、この罠に入りやすい。
なぜなら、過去の成功体験が、「きっと今回も同じだろう」という安心感を生むからです。

これは、人間として、とても自然な反応です。
脳は、確実な道を選びたがります。
未知の領域より、知っている領域を好みます。
だからこそ、「知らない可能性」や「見えていない条件」を、無意識のうちに外してしまう。

その結果、本当は重要だったはずの現象や原因が、議論の外に置かれてしまいます。
ここまで読んで、少し胸が痛くなった方もいるかもしれません。

「うちの会議、そのままだ」

そう感じたとしても、自分や職場を責める必要はありません。
これは、どの組織でも起きうる、ごく普通の現象です。
では、どうすればいいのでしょうか。

答えは、意外なほどシンプルです。
結論を急がないこと。
そして、分からない状態を、少しだけ許すこと。

原理原則の視点に立つと、すぐに答えが出ない時間が、自然に生まれます。

「まだ、仕組みを見切れていないかもしれない」
「条件を、全部拾えていないかもしれない」
この「かもしれない」を、場の中に残す。

それだけで、思考は、少しずつ動き出します。
ここで役に立つのが、手を動かすことです。
頭の中だけで考え続けると、思考は同じところを回りがちです。

一方で、

  • 現場を歩く
  • 清掃をする
  • 物に触れる

そうした行為は、思考の位置を、自然と「具体」に戻してくれます。

 次のステップでは、この「手を動かすこと」が、なぜ思考の筋トレになるのか。
そして、どうやって原理原則で考える力を日常の中で育てていけるのかを、新5S思考術の「清掃」を軸に、お話ししていきたいと思います。


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今は、前に進めていないと感じていても、大丈夫です。
それは、止まっているのではなく、立ち位置を探している途中なのですから。 

「問いが変わると、景色が変わる」

原理原則に近づく、問いの立て方

会議の途中で、ふと空気が重くなる瞬間があります。

誰かが、こう言ったときです。
「で、結局、誰が悪かったんでしょうか」

その言葉が出た瞬間、それまで活発だった議論が、すっと静かになる。
誰も反論はしないけれど、誰も前に出てこない。
そんな場面を、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

この時、人は何も考えていないわけではありません。
むしろ、頭の中では一斉に、同じことが起きています。

  • ここで何を言えばいいんだろう
  • 余計なことを言うと面倒になりそうだ
  • 早くこの話が終わってほしい

問い一つで、人の思考は、驚くほど簡単に止まってしまいます。

ここで大切なのは、「誰が悪いのか」という問いを立てた人を責めないことです。
その問い自体、多くの職場で、長い間使われてきたものだからです。

ただ、原理原則の視点で見ると、この問いは、少しだけ立ち位置がずれています。
問いが、人に向いているのです。

人に向いた問いは、分かりやすい反面、視野を一気に狭めます。
カメラで言えば、被写体にぐっと寄りすぎて、背景がすべて切り落とされてしまう状態です。
すると、仕組みも、条件も、環境も見えなくなる。
結果として、「いつもの答え」にたどり着くことになります。

ここで、少しだけ問いの立ち位置をずらしてみましょう。
たとえば、こんな問いです。
「本来、この仕事は、どういう流れで進む設計だったんだろう」
「この作業が、うまくいく前提条件は、何だっただろう」

この問いは、人ではなく、仕組みと条件に向いています。
不思議なことに、この問いが出ると、場の空気が少し変わります。

誰かを守ろうとする緊張が、ふっと緩む。
正解を当てに行く空気が、少し薄れる。

人は、責められそうだと感じた瞬間、思考より先に、防御に入ります。
逆に、仕組みや条件の話になると、安心して話し始める。

これは、心理学やコーチングの分野でもよく知られている現象です。
人は、評価されていると感じると、思考が狭くなる。
安全だと感じると、思考が広がる。
つまり、問いの向きは、思考の広さを決めるのです。

ここで、もう一つ、よくある問いの落とし穴があります。
それは、問いが曖昧なまま進んでしまうことです。
「なぜ、うまくいかなかったのか」
「なぜ、ミスが起きたのか」

これらは、一見、とても正しい問いです。
でも、この問いのまま議論を始めると、話は拡散しがちになります。

人の話。環境の話。過去の事例。個人の印象。

気づけば、どれも正しそうで、どれも決め手に欠ける。
結果として、「いろいろ要因はあるけど、引き続き注意していきましょう」という結論に落ち着く。

このとき、考えた感覚はあります。
でも、前に進んだ実感は、あまり残りません。

原理原則で考えるというのは、問いを増やすことではありません。
むしろ、問いの流れを整えることです。

順番は、とてもシンプルです。
まず、「本来、どういう仕組みだったのか。」
次に、「その仕組みが成立するための条件は何か。」
その上で、「どこで、その条件が崩れたのか。」

この流れに沿って問いを立てると、思考は、自然と深さを持ち始めます。
ここで大切なのは、結果から原因を探さないことです。

「ミスが起きた」という結果から、直接原因を探そうとすると、どうしても視野が狭くなります。
一方で、原理から問いを立てると、「ミス」という言葉に縛られず、その前段階に目を向けることができます。
すると、これまで気づかなかった現象が、少しずつ見えてきます。

例えば

  • 作業自体は正しくても、情報が届くタイミングが遅れていた
  • 配置は変わっていなくても、周囲の環境が変わっていた

こうしたことは、結果だけを見ていても、なかなか浮かび上がってきません。
原理原則に立ち戻ることで、問いが、「犯人探し」から「構造の理解」へと静かに移動していきます。

そして、この変化は、人の表情にも表れます。
話す声が、少し柔らかくなる。
「それ、言っていいんですか?」という戸惑いが減る。

その瞬間、場は、もう一度考える場に戻ります。
ここまで読んで、「でも、忙しい現場では難しい」そう感じた方もいるかもしれません。
その感覚も、とても自然です。

だからこそ、問いを変える時は、完璧を目指さなくていいのです。
たった一つ、問いの向きを人から仕組みにずらす。
たった一度、「本来どうだったか」を確認する。
それだけで、景色は少し変わります。

そして、この問いの感覚を、どうやって日常の中で鍛えていくのか。
5S思考術の「清掃」が、なぜ思考の筋トレになるのかを、具体的な体験とともにお話ししていきたいと思います。

問いは、才能ではありません。
環境と、日々の習慣で、少しずつ育っていくものです。 


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「清掃は、思考の筋トレだった」

問い続ける力は、日常の中で育てられる
「なぜなぜ分析をやっているんですけど、どうもうまくいかないんです」
これは、私が研修やセミナーの場で、本当によく聞く言葉です。

  • 形式は整っている
  • 手順も知っている
  • ホワイトボードに「なぜ?」を並べることもできる

それなのに、途中で話が浅くなったり、結局いつもの原因に戻ってしまったり、人の話になって終わってしまう。

もし、あなたがそんな経験をしたことがあるなら、それは決して珍しいことではありません。そして、その原因は、「なぜなぜ分析のやり方が悪い」からではありません。
もう少しだけ、手前のところに理由があります。

それは、問い続けるための筋力が、まだ育っていないということです。
ここで言う筋力とは、知識量のことではありません。
頭の回転の速さでもありません。
前にも触れてきた、原理原則で物事を見る力、問いの向きを整える力、そして分からない状態に耐える力。

これらは、一度学んだから身につくものではなく、日常の中で、少しずつ鍛えられるものです。私は、その「筋トレ」にとても向いている行為があると考えています。

それが、5S思考術における「清掃」です。


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清掃というと、多くの職場では、こんなイメージを持たれています。

  • 決められた時間にやる作業
  • とりあえずきれいにすること
  • 忙しいと後回しになりがち

もし、あなたの職場でも清掃が少し形骸化していると感じていたら、それも自然なことです。
私自身、かつては清掃を「やらなければいけないこと」としてしか見ていませんでした。

でも、ある時、見方が変わった瞬間があります。
清掃を、「汚れを取る作業」ではなく、現場を観察する時間として捉え直したときです。

  • 床の汚れ
  • 工具の置き方
  • 配線のたるみ
  • 微妙なズレ

一つひとつは、些細なことに見えます。
でも、よく見ていると、こんな問いが自然に浮かんできます。

  • なぜ、ここだけ汚れやすいんだろう
  • なぜ、この道具はここに戻されていないんだろう
  • なぜ、この作業だけ、いつも時間がかかるんだろう

ここで重要なのは、「答えを出そう」としないことです。

ただ、気づいたことを、そのまま受け取る。
この繰り返しが、検出力、観察力、洞察力を静かに鍛えていきます。

筋トレと同じです。
一回やったから、急に筋肉がつくわけではありません。
でも、続けていると、ある日ふと、「あれ、前より見えているな」と感じる瞬間が訪れます。

原理原則思考も、まったく同じです。
清掃を通じて、「仕組み」と「条件」に目が向くようになると、なぜなぜ分析の質も、自然と変わっていきます。

なぜなぜ分析がうまくいかない理由の多くは、

  • 結果ありきで問いを立てている
  • 問いの深さが、ずっと同じ
  • 見えていない前提に気づけていない

このいずれか、あるいは組み合わせです。

清掃で鍛えられた視点があると、「なぜ?」を重ねるときに、立ち位置が少し変わります。

人を見に行くのではなく、仕組みを見に行く。
出来事を見るのではなく、条件を見る。

すると、これまで出てこなかった問いが、自然に立ち上がってきます。
私は、無料Webセミナーで「なぜなぜ分析が上手くいかない理由はこれだ!」というテーマを担当しています。

このセミナーでは、なぜなぜ分析のテクニックを増やすことは、ほとんどしません。

代わりに、

  • なぜ問いが浅くなるのか
  • どこで原理原則から外れてしまうのか
  • なぜ同じ原因に戻ってしまうのか

そうしたつまずきの正体を、一つずつ、丁寧に見ていきます。

参加された方から、よくこんな声をいただきます。
「やり方の問題だと思っていました」
「自分の考え方の立ち位置が、ずれていたんですね」
「だから、今まで気づけなかったんだと腑に落ちました」

もし、あなたが今

  • なぜなぜ分析にモヤモヤしている
  • 考えているのに前に進まない感覚がある
  • 原理原則で考えたいと思っている

そんな状態にあるなら、この無料Webセミナーは、答えをもらう場ではなく、問いの立て直しをする場として、役に立つかもしれません。

もちろん、参加しなければならないわけではありません。
このコラムを読み、清掃の時間に、一つでも「あれ?」と感じることがあれば、それだけでも十分です。

原理原則で考える力は、特別な人のものではありません。
日常の中で、静かに、確実に、育てていけるものです。
間違えてもいい。立ち止まってもいい。問いが浮かばない日があってもいい。

それでも現場に立ち、手を動かし、考え続けていれば、人はまた見えていなかったものに気づき始めます。

清掃は、そのためのいちばん身近な入口なのだと、私は思っています。

毎週月曜日に「改善ファシリテーション」をテーマとしたコラムを更新、

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坂田 和則さん画像
マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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