【EcoTopics】地方公共団体向けの環境省補助事業のご紹介(令和9年度エネルギー対策特別会計概算要求)
本コラムでは、8月末に公表された環境省の令和9年度エネルギー対策特別会計概算要求のうち、地方公共団体が対象となる主な事業をご紹介します。
■令和9年度概算要求の主な特徴
① 脱炭素を「地域経済・防災・資源循環」と一体化する支援が具体化
「地域資源を活用したレジリエントなエネルギー循環・経済成長促進事業」を新規要求しています。防災・レジリエンス強化、国内資源活用、地域経済活性化の3モデルを設け、リユース太陽光・EV、地元施工事業者の活用、地場産業のエネルギーコスト低減、地域エネルギー会社の機能強化などをまとめて支援する構成です。
② ペロブスカイトは「新しい補助率」ではなく「導入規模の拡大」が中心
70億円から280億円へ増額され、2年間で総額510億円の国庫債務負担も示されています。従来型太陽電池を設置しにくい屋根・窓・インフラ等への導入を通じ、市場立上げと初期コスト低減を進める狙いと想定されます。
③ ZEB支援は「対象施設の単純拡大」よりも、低炭素建材・躯体活用・改修方式の再編
従来の新築ZEB、既存ZEB、ライフサイクルカーボン削減型新築ZEBの3枠に「継続事業のみ」と明記され、新築・改修の支援構成が組み替えられています。これらは、運用時の省エネだけでなく、建材・建築物の長寿命化・資源循環まで含めた改修提案を重視する構成と想定されます。
■事業別の主な概要
(詳細は今後公表される公募要領をご確認ください)
事業名 | 事業概要 | 補助対象 | 補助率 | R8・R7補正との比較 |
地域脱炭素推進交付金 | 脱炭素先行地域、重点対策加速化、民間裨益型自営線マイクログリッドの3区分で、地域の再エネ・省エネ設備導入等を支援。 | 再エネ、蓄電池、省エネ設備、自営線等。先行地域の選定や重点対策の再エネ導入量など、区分別要件あり。 | 先行地域:原則2/3 重点対策加速化:1/3~2/3、定額等 民間裨益型自営線マイクログリッド:原則2/3
| 継続(予算増額)。 |
GX戦略地域制度における産業団地等の脱炭素化推進事業 | GX戦略地域において、地域共生型の脱炭素電源・基盤インフラ等を整備し、産業集積と地域の脱炭素化を支援。 | GX戦略地域のデータセンター集積型・脱炭素電源活用型に係る脱炭素電源、基盤インフラ等。選定地域等の要件あり。 | 間接補助:1/2~2/3、定額等 | 継続(予算増額)。R8の交付金から、R9は間接補助に変更。 |
ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業 | 従来型太陽電池を設置しにくい建築物・インフラ等で、フィルム型・建材一体型ペロブスカイト太陽電池の調査・計画と導入を支援。 | 導入前の調査・計画策定、設備導入。耐荷重等で従来型太陽電池の設置が困難な場所等。性能基準、導入規模、データ提出等の要件あり。 | 調査・計画策定:9/10 設備導入:2/3 避難施設・インフラ空間等への設置など一定要件を満たす場合:3/4 | 継続(予算増額)。計画策定はR9で補助率9/10を明記。 |
地域資源を活用したレジリエントなエネルギー循環・経済成長促進事業 | 防災・レジリエンス、国内資源活用、地域経済活性化の3モデルで、地域のエネルギー循環と脱炭素化を一体的に支援。 | 適応策と緩和策の連携、需給マッチング、リユース太陽光・EV、地元施工、地場産業のコスト低減、地域エネルギー会社の機能強化。 | 交付金・間接補助:1/3~2/3、定額等 ※需給マッチング以外は交付金、需給マッチングは間接補助。 | 新規。 |
地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業 | 公共施設の太陽光導入計画を支援。 | 公共施設の発電量・日射量、屋根・土地、現地調査等を含む導入計画策定。 | 公共施設太陽光の導入計画:1/2 上限1,000万円(対象施設数により1,500万円) | 継続(予算増額)。 |
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業 | 避難施設・防災拠点等に自立分散型エネルギー設備を導入し、平常時の脱炭素化と災害・停電時のエネルギー供給を両立。 | 【対象施設】地域防災計画又は業務継続計画に位置付けた公共・公用施設。【対象設備】再エネ、熱利用、CGS、附帯する蓄電池等。 | 都道府県・指定都市・財政力指数0.8以上の市区町村:1/3 財政力指数0.8未満の市区町村:1/2 市区町村の地中熱・バイオマス熱等、及び離島:2/3 蓄電池:定額 | 継続。市区町村の基本補助率を財政力指数0.8で区分。 |
「脱炭素×復興まちづくり」推進加速化事業 | 福島県内で脱炭素と復興まちづくりを同時に進めるため、地域資源を活用した自立分散型エネルギーの計画・設備導入と、事業創出に向けた調査・実証を支援。 | 自立分散型エネルギー、再エネ、水素等の計画・導入。 | 計画策定:2/3、上限1,000万円 設備導入:1/4~4/5、上限2億円 | 継続。設備導入の補助率範囲:R8 1/4~5/6→R9 1/4~4/5。 |
建築物等のZEB化・省CO₂化普及加速事業 | 業務用建築物のZEB化・脱炭素改修、水インフラの省CO₂化、災害・熱中症対策等を支援。低炭素建材、新築、躯体活用改修、調査などのメニューを含む。 | 庁舎・学校等の高効率設備・断熱改修、低炭素建材、上下水道・ダム等、クーリングシェルター等。 | 低炭素建材活用新築:設備1/3(事務所等2,000㎡以上は1/4)、建材掛増費1/2(GX率先実行宣言を行う場合2/3) 脱炭素改修:外皮・設計1/2、設備1/3(トップ性能等1/2) 躯体活用改修:1/3~2/3 調査:1/2(通常上限100万円、躯体活用上限1,000万円) 水インフラ:1/3又は1/2 クーリングシェルター等:1/3 | 継続(メニュー再編)。従来の新築ZEB・既存ZEB・ライフサイクルカーボン新築の3枠は、R9で「継続事業のみ」と明記。 |
「デコ活」による脱炭素社会実装事業 | 温暖化防止活動推進センター等による地域の行動変容支援を行う。 | 全国・地域の温暖化防止活動推進センターによる取組。 | 温対法に基づく地域支援:5/10 | 継続(事業名称変更) |
商用車等の電動化促進事業 | トラック・タクシー・バス及びGX建機の電動化を進めるため、電動車両・機械と一体的な充電設備の導入費を支援。 | 電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池車等の商用車、国土交通省認定のGX建機。 | 間接補助(車種別の補助率・定額単価の記載なし) | 継続 |
廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業 | 廃棄物処理施設を地域エネルギーセンターとして整備し、回収電力・熱の地域利用、施設改良、事業化調査、熱利用高度化等を支援。 | 【施設整備等】市町村等。 【電力・熱利用設備、FS調査、熱回収実証】市町村等、民間団体等。 【対象】高効率処理施設、新設・基幹改良、電線・変圧器、熱導管、未利用熱等の事業化調査。 | 施設新設:1/3又は1/2 施設改良:1/2 計画・調査策定(交付金のみ):1/3 電力・熱利用設備:1/2 未利用熱等のFS調査:定額 | 継続(予算増額)。 |
先進的省エネ型浄化槽(中・大型槽)推進事業 | 既設の中大型合併処理浄化槽を先進的な省エネ型へ交換し、又はブロワ等の高効率機器と運転制御を改修してCO₂排出を削減。 | 51人槽以上の既設合併処理浄化槽。本体交換、高効率機器(ブロワ等)とインバータ・タイマー等の運転制御を組み合わせた改修。 | 浄化槽交換:CO₂削減30%以上46%未満 1/3、CO₂削減46%以上 1/2 機器改修:当該機器のCO₂削減20%以上 1/2 | 新規(R8に類似事業あり) |
株式会社ナレッジリーンでは補助金等を活用した支援も実施しております。内容につきましては、下記をご確認ください。
https://www.kmri.co.jp/service/env-cn/renewable-en-svy
参考:
<環境省>
令和9年度(2027年度)概算要求額
https://www.env.go.jp/earth/42024_00006.html
(令和8年9月 公共コンサルティング部 藤﨑)
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