【EcoTopics】風力発電のゾーニング支援~新規補助事業の進め方について~

地球温暖化対策の実行段階が進む中、風力発電に係る促進区域の設定に向けたゾーニングを後押しする補助事業が、令和8年度の概算要求資料で示されました(実施期間:令和8〜12年度)。
本コラムでは同補助事業の概要と、進めていく上での施策案について紹介いたします。
1.新規補助事業について
本補助事業は、環境省「地域脱炭素実現に向けた具体施策実装支援事業」のうち「(2)地域共生・地域裨益型の再エネ導入支援」の「①風力発電に係る促進区域等の設定に向けたゾーニング等に対する支援」という位置づけとなります。
対象となる再エネは風力発電に限定されるものの、自治体主導のゾーニングを計画的に実施するための費用(環境配慮情報の収集・自然環境等調査・ゾーニングマップ(=促進区域素案))が支援対象となります(補助率:3/4(上限2,500万円))。また同じく「(2)地域共生・地域裨益型の再エネ導入支援」のうち「②地域共生型再エネ事業創出のための理解醸成等に係る支援」についても示されており、こちらでは自治体による再エネ促進区域の設定等に向けたゾーニング等の実施に係る伴走支援を行うこととされております。
これらのことから、環境省としては今後も促進区域の設定に向けた取組を支援する方針であることがわかります。
2.ゾーニングマップとは
再エネの導入が可能な区域と不可能な区域とをエリア分けしたマップを作成することです。
再エネのポテンシャルや土地の制約にとどまらず、地域住民や環境分野の専門家等の意見を反映しながら、作成することが重要です。
ゾーニングマップのイメージ
3.なぜゾーニングが進みにくいのか
自治体や事業者、地域住民、専門家など、ゾーニングの実施には多様な関係者が関わります。
そのため風力発電等再生可能エネルギーの導入を推進したい側と、景観や環境保護、生活への影響を懸念する側の間で、意見の対立が生じやすく、担当課に調整負荷が集中しやすいことが停滞の一因です。
近年再エネによる環境破壊のニュース等も散見されますが、再エネのデメリットだけでなくメリットも住民に周知していくことが求められます。
4.ゾーニングを進めるための施策案
地球温暖化の防止にどれほど役に立つのか、セミナー等により温暖化対策効果や地域経済効果(地元企業参画、雇用、税収 等)を定量で提示し、懸念点(景観・生態系 等)への対応策とセットで説明していくことが重要です。
これにより地域の中小企業の参画を促すことにも繋がり、地域活性化の効果も期待できます。
5.まとめ~風を地域の利益に変えるために~
ゾーニングは“ただ地図を作る”作業ではなく、合意形成を進めるプロセスです。
適切に進めていくことで、概算要求段階からの準備で、令和8年度の公募開始に合わせた着手を目指しましょう。
株式会社ナレッジリーンでは、環境・カーボンニュートラル分野における計画策定や再エネ導入の調査・検討、補助金の活用支援を行っております。各種ご相談に応じますのでお気軽にお問合せ下さい。
リンク:ホーム>環境・カーボンニュートラル>再エネ設備導入調査計画、補助金活用支援
(令和7年10月 公共コンサルティング部 佐藤)
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