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コラム

緊急時における初動訓練の大切さ | 災害時のリスク回避

目次

火災報知器の音に気付いていますか

先日、あるお客様のオフィスで、お打合せの最中に
【ピンポン ピンポン ピンポン キュイーン!キュイーン!キュイーン!】
とけたたましい音が聞こえてきました。

おそらく、周囲のビルから出ている音だと思います。

この音を聞いて「あっ、どこかで火災だ」と私が言うと、
「ん?何か鳴っていますか?火災ですって?」
私以外のメンバーは、火災報知器の音に気付いていませんでした。

というより、
「聞こえていない」と話すのです。

普段、あまり聞き慣れない音なので「意識」や「認知」することが出来なかったのでしょう。
今回は、緊急時の初動に対する教育/訓練の大切さについておはなしします。

「無意識」の部分が『正しい状況認識』の邪魔をする

災害時のリスクを可能な限り回避する。
緊急時の初動が、結果を左右します。

私達の脳は、目・耳・鼻・口・皮膚などのから多くの情報を取り入れ、脳内で処理し「現状」を把握しています。
しかし、多くの情報の全てを把握していると、動けなくなってしまいます。

例えば、自転車に乗るときに

・サドルに座って
・ハンドル握って
・ペダルに足をかけて
・足に力を入れて
・前を見て
・バランスをとって

などなど、いろいろな意識をしながら、自転車をこぐと思いますが、その全てを意識して考えていたら、いつまでたっても自転車を走らせることが出来なくなると思います。

私達の脳は、「自動化された感覚運動パターン」という能力を持っており、意識しなくとも、自転車をこぎ進めることができます。
この「パターン」がなかったら、仕事にも生活にも支障がでてきてしまいますね。

私達は、「意識して行動する」ことと「意識せずとも行動できる」といった脳内処理を経て、仕事や生活をしています。
ここで問題となるのが「意識せずとも行動できる」状態の時です。
この状態下では、とても効率的に動作を実行する事ができます。

しかし、「無意識」の部分があるために、勘違いや思い込みのエラーが起きやすくなります。
そして、これらのエラーが起きることで『正しい状況認識』ができなくなってしまうのです。

まるで、意識のフィルターのようなモノが存在し、そのフィルターで「状況内容」が、フィルタリングされているようになるのです。そしてフィルタリングを受けた外部からの情報は、一部が欠落したり、歪曲されたりしながら、情報処理が進んでしまいます。

意識が向くような教育/訓練が必要

もしも災害が発生した時、大切なことは「初動対応」です。火災などでも、「初期消火」がとても重要なことが解っています。

まずは、避難させること。
そして、初期消火員は、訓練に基づき「初期消火」を試みること。並行して、消防署など、関係機関への連絡も必要です。


ところが、今回の様に「アラーム音を認識出来ない」ということでは、初動遅れが起きる危険性があります。
日頃から、アラーム音に意識が向くような教育/訓練が必要ですね。
そして、自社工場やビルだけで無く、隣の建物や周辺からのアラーム音にも気づけるようにしておきたいものです。

緊急時の初動が、結果を左右します。
災害時のリスクを可能な限り回避する。

「初動のきっかけ」になるサインを意識できるよう教育/訓練をしませんか?


BCP(事業継続計画)|ナレッジリーン

BCP(事業継続計画)とは、「潜在化している脅威による損失と影響を事前(平常時)に分析し、その結果に応じた対策の検討と導入を行うことで、脅威が顕在化した際(非常時)に事業継続を確実にするための各種の手順や情報を文書化した行動計画」のことです。ISO22301 認証取得支援も実施しております。

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マネジメントコンサルティング2部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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