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組織のルール遵守率を劇的に改善する4つの認知パターン

目次

「ルールの周知徹底」ができない……
「安全衛生や品質保全などのルールを制定したのに、なかなか全員が守ってくれない……」
そんなご相談をよく受けます。

ほとんどの場合、その方はこう言います。

ルールを制定し、教育訓練も実施。教育訓練記録も残して自覚を促したのに、やっぱり守られない……。

今回は「ルールの周知徹底」をテーマに、その課題を解決するヒントをご紹介します。
ルール遵守を促す説得力と説明力がアップします!

ルールの周知徹底が進まない原因

たとえば、いったん発生した問題を解決したのに、後日また同じトラブルが起きた──。
ルールを改定し、再発防止策も打ったはずなのに、なぜかまた「おなじ失敗」を繰り返す。

この問題の再発は、時間のロスを生み、業務効率を下げます。
モチベーションにも悪影響を及ぼし、悪循環がさらに悪い結果を招いてしまいます。

では、「ルールを守らない」という課題に対して、部下や後輩に「周知」と「励行」を指示したにもかかわらず浸透しないのはなぜでしょう?

──人は、ルールに対する価値観が異なるからです。

4つの認知パターンを知ろう

言語心理学や認知心理学の研究によれば、人はルールを次の4つのパターンで捉えています。

  1. 個人型
    「私が守るべきルールは、あなたも守るべきだ」

  2. 無関心型
    「私が守るルールは守る。でも、あなたが決めたルールには関心がない」

  3. 迎合型
    「私が守るべきルールは、あなたが決めたルールだ」

  4. 寛容型
    「私が守るルールは守るが、あなたにはあなたのルールがある」

組織内では一般的に、個人型迎合型が多く、ルールに基づく業務統制が成り立っています。しかし、無関心型寛容型も一定数存在します。

  • 無関心型・寛容型の人は、他人が決めたルールには抵抗感があります。

  • 自分でルール作りに参加しない限り、そのルールを「守ろう」と思いません。

つまり、“決められたルール”という前提が崩れると、いくら周知しても浸透しないのです。

解決のポイント:参加型ルールづくり

無関心型・寛容型の特長は、「自分で決めたルールは守る」という点。
そこで、ルール策定のプロセスに少しでも関わってもらうことで、当事者意識が芽生え、遵守意欲が高まります。

  1. ワークショップ形式で意見を募る

  2. 小グループ討議でルール案をブラッシュアップ

  3. 全体合意を得たうえで正式決定

こうして“みんなで作った”という実感を共有すると、周知徹底がぐっと進みます。

なぜ「認知パターン」を学ぶべきか

人はそれぞれ異なる価値観でルールを受け入れています。
どんなに丁寧に説明しても、理解や納得の仕方は人それぞれです。

まずは自分自身が4つの認知パターンを理解し、マネジメント手法に取り入れてみましょう。
そうすることで、説得力のある説明ができ、組織全体のルール遵守度を高められます。


私たちは、管理職や次世代リーダー向けに「認知パターン活用研修(インハウス)」を提供しています。
今回ご紹介した「ルールの周知徹底」だけでなく、目的・目標管理や問題解決など、さまざまなマネジメント領域で活用可能です。


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マネジメントコンサルティング部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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