「どうしよう」を「どうする?」に変える|非常時に強いチームは、日頃の対話でつくられる
「どうしよう」で止まるチーム、「どうする?」と動くチーム~いざという時の強さは、日頃の対話で決まる~
このコラムから持ち帰っていただきたいこと
仕事をしていれば、想定していなかった問題は必ず起こります。
その時、「どうしよう……」という空気に包まれ、誰も動けなくなるチームがあります。
一方で、「今、何が分かっている?」「使えるものは何だ?」「では、どうする?」と情報を集め、考え、動きながら、その時点での答えを修正していくチームもあります。
この違いは、リーダーの頭の良さや経験年数だけで生まれるものではないと、私は考えています。
むしろ大きく影響するのは、普段どんな対話をしているのか、小さな違和感を安心して口にできるのか、そしてチーム全体に「考え続ける習慣」があるのかという、一見地味な日常の積み重ねです。
このコラムでは、私自身が20代の設備管理時代に経験したことと、最近の大阪出張で起きたちょっとした失敗を手がかりに、「思考を止めないチーム」をどうつくるのかを考えてみます。
特に、経験を積み、部下も増え、「自分が答えを出さなければ」と感じる場面が増えてきたリーダーの皆さんに、一度考えていただきたい話です。
毎週月曜日に「改善ファシリテーション」をテーマとしたコラムを更新、
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大阪のホテルで、鞄を開けて固まった
先日、大阪へ出張した時のことです。
ホテルに入り、仕事の準備をしようと鞄を開けました。
ノートパソコンを取り出し、電源につなごうとした、その瞬間です。
電源ユニットがありません。
鞄の中をもう一度探す。
別のポケットを見る。
ほかの荷物もどけてみる。
それでも、ない。
「やってしまった……」。
出張先ですから、資料もメールもさまざまなデータも、このパソコンで扱います。
バッテリーが残っている間は使えても、その先はどうするのか。
一瞬でいくつもの不安が頭に浮かびました。
しかも、私には嫌な記憶がありました。
十数年前にも、同じように電源ユニットを東京に忘れたことがあるのです。
その時は大阪・梅田の家電量販店へ駆け込みました。
ところが店員さんから返ってきた言葉は、「ああ、これ、ネットでしか購入できないんですよね」。
あの瞬間、本当に顔が青くなりました。
そして結局、私は新幹線に乗り、東京まで電源ユニットを取りに戻ったのです。
ですから今回も、「また東京まで戻るのか?」という十数年前の悪夢が、一瞬蘇りました。
「どうしよう……」。
そう思った直後、自分の中で問いが変わりました。
「いや、どうする?」。
ホテルから調べてみると、大阪城公園の横を通って歩いて行ける場所に家電量販店があることが分かりました。
ならば、まず行ってみよう。
大阪城公園を歩きながら、このパソコンは何W必要だったか、USB-Cで代用できるのか、ケーブルは何W対応が必要か、もし店頭になければ次に何ができるか、と考え始めました。
家電量販店に到着してPC売り場を見ると、また嫌な予感がします。
ワット数やケーブルの仕様を確認しながら商品を見ても、それらしいものが一種類しかありません。
「まさか、今回も……」。
そこで店員さんに尋ねてみると、「こちらです」と全く別の棚へ案内されました。
そこには対応できそうな電源アダプターがずらり。
スペックを確認して購入し、ホテルへ戻って接続すると、無事に充電が始まりました。
「よかった~」。
もっとも、その直後には「高い……」という、別の現実も待っていました。
完全に予定外の、かなり痛い出費です。
それでも、充電中の画面を眺めているうちに、ふと思いました。
私はいつから、問題が起きた時に「どうしよう」で止まらず、「では、どうする?」と考えるようになったのだろう。
すると頭に浮かんだのが、20代の頃の仕事でした。
20代の設備管理時代、「今、使えるものを全部出せ!」
私は20代の頃、設備管理の部署にいました。
ボイラー、コンプレッサー、配電設備など、工場を動かすためのインフラ設備を管理する仕事です。
普段は当たり前のように動いている設備も、時には突然トラブルを起こします。
当然、設備はこちらの都合など考えてくれません。
「今日は人が少ないので明日にしてください」とお願いすることもできません。
蒸気が止まる、圧縮空気が止まる、電気が止まる。
その影響は一つの設備だけでは終わらず、その先の生産設備や工場全体の操業へ広がる可能性があります。
だから、現場では時間の感覚が変わります。
判断が数分遅れれば、次の行動も遅れる。
行動が遅れれば、復旧も遅れる。
そして復旧の遅れは、工場の操業そのものに影響しかねない。
もちろん、安全を犠牲にして急ぐという意味ではありません。
むしろ、安全を最優先にしながら、限られた時間と不完全な情報の中で、次の一手を決め続けなければならないという緊張感がありました。
今振り返ると、そんな時の私は、いきなり原因を決めつけてはいませんでした。
最初に考えていたのは、「今、使えるリソースは何だ?」ということです。
生きている設備はどれか。
予備機は使えるか。
バイパスできないか。
手元にある部品は何か。
図面は。
過去の記録は。
ここにいる人は。
誰ならこの設備をよく知っているのか。
別の部署に使えるものはないか。
その時点で持っている、人・設備・情報・経験を、とにかく洗い出していました。
そして私は、周囲にこんなことを言っていました。
「今使えるもの、全部出して!」
「何か気づいたら、間違っていてもいいから言って!」。
今思えば、少し映画の緊迫した場面のような言い方です。
しかし、あの頃は本気でした。
判断の遅れや行動の遅れが工場の操業を左右する可能性がある中では、完璧な情報がそろうのを待っている余裕はありません。
「いつもより音が少し違った」
「さっき一瞬だけ圧力が変だった」
「昨日、この部分を触った」
「関係ないかもしれないけれど、あそこだけ温度が違う気がする」。
そんな、まだ正しいかどうかも分からない小さな情報が、次の判断を大きく変えることがあります。
だから、100%正しい情報だけを待っていたわけではありません。
間違っていたら、その仮説を捨てればいい。
怖かったのは、考える材料そのものが集まらないことでした。
一つ仮説を立てる。
確認する。
違えば捨てる。
別の情報が入れば判断を変える。
何か分かれば、また次の一手を考える。
当時はそれを理論として理解していたわけではありません。
ただ、現場で問題を解決しようとすれば、自然とそうなっていたのです。
では、なぜ「間違っていてもいいから言って」と言う必要があったのでしょうか。
ここから、現在のリーダー育成にもつながる話が始まります。
人は「正しいか」だけでなく、「言って大丈夫か」を判断している
今なら、この現象を理解するための言葉の一つに「心理的安全性」があります。
難しく考える必要はありません。
簡単に言えば、疑問を言ったり、分からないと言ったり、違う意見を出したり、失敗を報告したりした時に、「そのことで自分が不当に傷つけられたり、馬鹿にされたりしない」と感じられる状態です。
現場で「私の勘違いかもしれませんが……」「こんなことを言ったら変かもしれませんが……」「関係ないと思いますが……」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
この前置きの後ろに、大切な情報が隠れていることがあります。
しかし本人は、情報が正しいかどうかだけを判断しているのではありません。
「これを言ったら怒られないか」「馬鹿にされないか」「忙しいのに余計なことを言うなと思われないか」も同時に考えています。
心理的安全性の研究では、安心して発言できるチームほど、質問、報告、意見交換、振り返りなどの「学習行動」が起こりやすいことが示されてきました。
つまり心理的安全性は、単に「仲良くしましょう」という話ではありません。
私はむしろ、チームの中に必要な情報を流し続けるための基盤だと考えています。
ここでリーダーの方に、少し思い浮かべていただきたいのです。
若いメンバーが「ちょっと気になるんですが」と話しかけてきた時、忙しさのあまり、「で、結論は?」と返していないでしょうか。
「それは違うよ」と、最後まで聞く前に自分の経験から答えを出してはいないでしょうか。もちろん悪気はありません。
むしろ経験豊富なリーダーほど、若手より早く答えが見えてしまうのです。
しかし、その「早く答えられる力」が、思わぬ副作用を生むことがあります。
経験豊富なリーダーほど、「自分には何が見えていないか」を考える
人は、過去に似た問題を何度も経験しています。
部下の話を聞いた瞬間、「ああ、それなら原因はこれだろう」と予測できることも多いでしょう。
それは長年積み上げてきた大切な能力です。
ただし、毎回リーダーが「それは○○だよ」「前にもあったから、こうすればいい」と即座に答えていると、メンバー側にも学習が起こります。
「自分で考えなくても上司が答えてくれる」
「違う意見を言っても、どうせ採用されない」。
そして、もっと怖いのは、「何か気づいても黙っていよう」と学んでしまうことです。
その結果、リーダーのもとへ情報が来なくなります。
しかし、ここには厄介な問題があります。
来なかった情報は、リーダーには見えません。
自分の手元にある情報だけを見て、「これで全部だ」と思ってしまう。
しかし本当は、現場の誰かが違和感を持っていた。
別の誰かは、違う現象を見ていた。
それが共有されなかっただけかもしれません。
だから私は、経験豊富なリーダーほど、「自分には何が見えていないのだろう?」という問いを持つことが大切だと思っています。
そのうえで、「みんなには何が見えている?」と聞く。
ここからチームの情報が動き始めます。
しかし、情報が集まりさえすれば問題が解決するわけではありません。
もう一つ重要なのは、その情報を使って考えを更新し続けることです。
「考え続ける」と「悩み続ける」は違う
問題が起きた時、「どうしましょうか……」「困りましたね……」「前にも同じことがありましたよね」「そもそも、あの部署が……」という会話が長く続くことがあります。
困ったことについて話すのは必要ですし、不安や怒りを無理に押し込める必要もありません。
ただ、30分話しても新しい情報が一つも増えていない。
仮説も変わらない。
次の行動も決まらない。
そんな状態になっているとしたら、注意が必要です。
心理学では、嫌な出来事や不安、後悔などについて、同じ思考を繰り返すことを「反芻」と呼びます。
反芻は、自分の経験を振り返る「内省」とは少し違います。
内省では「何が起きたのか」「何が分かったのか」「次はどうするのか」と情報や理解が更新されていきます。
一方、反芻では、考えているように見えても同じ場所をぐるぐる回り、新しい行動につながりにくくなります。
だから私は、「思考を止めるな。ただし、同じことを考え続けるな」と伝えたいのです。
少し昭和の根性論のように聞こえるかもしれませんが、意味はまったく違います。
「気合で考え続けろ」ではありません。
一つの仮説に固執せず、新しい情報が入ったら考えを修正し続けろ、ということです。
問題解決では、観察する。
問いを立てる。
仮説をつくる。
検証する。
結果からまた考える。
この循環が続いている限り、たとえ最初の仮説が間違っていても前へ進めます。
逆に、最初の判断にこだわり、新しい情報を受け取らなくなった瞬間、チームの思考は止まり始めます。
「どうしよう」と「どうする?」――たった一言で、注意の向きが変わる
今回の大阪出張で、私は最初に「どうしよう……」と思いました。
これはごく自然な反応です。
予期しない問題が起これば、不安になり、焦り、時には過去の失敗まで思い出します。
問題なのは、「どうしよう」と思うことではありません。
そこに留まり続けることです。
「どうしよう」と「どうする?」の違いを、あえて簡単に整理すると、次のようになります。
状態 | 「どうしよう」 | 「どうする?」 |
注意の向き | 起きてしまったこと | これからできること |
認知 | 脅威・損失 | 課題・選択肢 |
感情 | 不安、焦り、後悔 | 見通し、主体感 |
行動 | 反芻、停止、迷い | 探索、判断、実行 |
問い | 「なんでこうなった?」 | 「今、何ができる?」 |
もちろん、実際の人間の心理がこれほどきれいに二つに分かれるわけではありません。
不安を感じながら行動することもありますし、「どうする?」と考え始めても迷うことはあります。
この表が示したいのは、問いが変わることで、注意を向ける先が変わりやすくなるということです。
ストレス心理学では、人は予期しない出来事に遭遇した時、「これは自分にとってどれほど脅威なのか」という評価だけでなく、「自分には何ができるのか」「使える資源はあるのか」という対処可能性も評価すると考えられています。
難しく言わなくても、私たちが普段行っていることです。
「大変だ」と感じた後に、「では、何ができる?」へ移る。
その瞬間、過去に起こった出来事そのものではなく、今の自分が動かせる部分に注意が向き始めます。
今回の私で言えば、「電源ユニットを忘れた」という事実はもう変えられません。
しかし、「近くに店はあるか」「このPCはどんな規格で充電できるか」「代替品はあるか」「店員さんに聞けば他の商品があるか」は、これから動かせます。
「どうする?」という問いが、失敗した自分を責めることから、使えるリソースを探す方向へ注意を移してくれたのです。
これは、リーダーがチームに投げかける問いについても同じです。
「なんでこんなことになったんだ?」という問いが必要な場面もあります。
しかし問題発生直後からこれを繰り返すと、人は責任追及を感じ、情報を出しにくくなる場合があります。
一方、「今、分かっていることは?」「使えるものは?」「次に何を確認する?」と問いかければ、チームの注意を問題解決へ向けやすくなります。
リーダーは「答えを出す人」だけではなく、「問いを変える人」
問題が起きた時、「どうしよう」という空気がチームに広がることがあります。
ここで「いつまで悩んでいるんだ。前向きに考えろ」と言っても、なかなかうまくいきません。
まずは「困ったね」「状況を整理しよう」と受け止めればいい。
そのうえで、「では、どうする?」と問いを変える。
そして、「今、分かっていることは何?」「分かっていないことは?」「使えるリソースは?」「誰が何を見ている?」「いつもと違ったことは?」「間違っていてもいい。何か気づいたことは?」と続けていくのです。
すると、「困った」という感情を中心に回っていた会話が、少しずつ情報と可能性を中心とした会話へ変わります。
そこで集まった情報から、「今の時点では、まずこれをやろう」と決める。
そして、新しい情報が入れば、「分かった。では、さっきの方針を変えよう」と判断を更新する。
一度言ったことを変えないことが、リーダーの強さではありません。
現実が変わったら、判断も変えられること。
そのために必要な情報が集まり続けるチームをつくること。
こちらの方が、変化の大きな時代には重要なのではないでしょうか。
そして、問題が収束したら、もう一度問いを変えます。
「次から、どうする?」。
ここまで進んで初めて、トラブルは単なる失敗ではなく学習へ変わります。
「どうしよう」→「どうする?」→「次からどうする?」。
この三つの問いを行き来できることが、私はリーダーとチームの問題解決力を高めると考えています。
非常時に必要な「骨格・筋肉・神経」は、平時に鍛える
私は人財育成について話す時、「骨格・筋肉・神経」という表現をよく使います。
骨格とは、仕事の原理原則や知識、判断基準です。
何を優先し、何を守るのかという、チームを支える土台です。
筋肉とは、自分で考え、試し、改善し、行動する力。
そして神経とは、人と人をつなぐ対話です。
誰かが見つけた違和感が伝わる。
困ったことが共有される。
別々の人が持っている情報がつながり、そこから新しい判断が生まれる。
人間の身体を考えてみれば分かります。
骨格だけでは動けません。
筋肉だけでも動けません。
そして神経が働かなければ、どれほど強い筋肉があっても適切に動かすことはできません。
組織も似ています。
立派なルールやマニュアルがあっても、人が考えられなければ動かない。
優秀な人材が集まっていても、情報が伝わらなければ、間違った方向へ全力で進むことさえあります。
反対に、話しやすいだけで原理原則や問題解決能力が弱ければ、本当に困った場面では判断できません。
だから、骨格・筋肉・神経の三つを、問題が起きていない平時から鍛えておく必要があります。
日頃から「なぜそう考えたの?」「ほかの見方はある?」「あなたには何が見えている?」「何か気になることは?」と対話する。
若い人が少し的外れな意見を言っても、すぐ「違う」と切らず、「そう考えたのはなぜ?」と聞いてみる。
そうした日常の小さな対話が、考える筋肉を鍛え、情報が流れる神経を育てていくのだと思います。
つまり、心理的安全性も、ある日突然生まれるものではありません。
「何を言ったか」以上に、それに対してリーダーが普段どんな反応をしているのか。
その小さな経験の積み重ねから、「ここでは言ってもいい」「ここでは黙っておこう」というチームの学習が起きていきます。
リーダーだからこそ、全部を背負わなくていい
リーダーになると、仕事で背負うものが増えてきます。
部下の成果を求められる。
若い人を育てることも期待される。
上司からは結果を求められる。
他部署との調整もある。
そして仕事以外にも、家庭や自分自身のこれからを考えることが増えてきます。
だから、「自分がしっかりしなければ」「自分が答えを持っていなければ」と感じるのは、とても自然なことだと思います。
でも、リーダーだからといって、すべての答えを一人で持つ必要はありません。
むしろ、これからのリーダーに必要なのは、自分の知らない情報をチームから引き出し、集まった情報からその時点での最適解をつくり、新しい情報が入ったら最適解そのものを変えていけることではないでしょうか。
そのためには、問題が起きた瞬間だけではなく、日頃から「話していい」「分からないと言っていい」「違う意見を言っていい」「気づいたことを出していい」という経験をメンバーに積んでもらう必要があります。
非常時のチーム力は、平時のマネジメントの成績表なのかもしれません。
「関係ないかもしれませんが……」の続きを聞けるチームか?
今回、私は大阪のホテルでノートパソコンの電源ユニットを忘れました。
単なるおっちょこちょいの話と言われれば、その通りです。
しかも予定外の出費までしました。
しかし、大阪城公園を歩きながら「どうする?」と考えていた自分を振り返ったことで、20代の設備管理時代にやっていたことが、今の人財育成やリーダーシップの考え方と一本につながりました。
「今使えるリソースは何だ?」「何か気づいたら、間違っていてもいいから言って!」。
あの頃は、設備を何とか復旧させるために必死でした。
しかし今になって考えると、設備管理の技術だけを学んでいたのではなかったのだと思います。
問題が起きても思考を止めないこと。
一人の頭だけで考えず、周囲から情報を集めること。
仮説を持つが、それに固執しないこと。
新しい情報が入ったら答えを変えること。
そして、必要な時に情報が集まるよう、普段から人と話せる関係をつくっておくこと。
そんなリーダーとしての基本を、設備の前で学んでいたのかもしれません。
最後に、少しだけ、ご自身の職場を思い浮かべてみてください。
若いメンバーが「関係ないかもしれませんが……」と言った時、その続きを安心して話せるでしょうか。
「私の勘違いかもしれないんですが……」と言われた時、「いいから、言ってみて」と返せているでしょうか。
そして本当に問題が起きた時、誰かが正解を出すまで待つのではなく、「今、使えるものは何だ?」とチーム全員で考え始められるでしょうか。
もし、この文章を読みながら、「うちのチームはどうだろう」「そういえば最近、部下との会話が報告と指示ばかりになっているな」「若いリーダーに、こういう力をどう身につけてもらえばいいだろう」と何か一つでも浮かんだなら、そこにはチームを変える入口があるのだと思います。
私は研修やコンサルティングの場でも、最初から答えを渡すことより、その会社、その職場、その人たちに何が起きているのかを一緒に見ながら、問いをつくっていくことを大切にしています。
会社も違えば、人も違います。
だから答えも一つではありません。
ただ、一つだけ共通していることがあります。
非常時に強いチームは、非常時になってからつくられるわけではありません。
今日の対話から、すでにつくられ始めています。
明日の朝、部下にほんの一言、「最近、何か気づいたことある?」と聞いてみる。
そして、そこから出てきた話を、少しだけ急がずに聞いてみる。
もしかすると、そんな何気ない対話の積み重ねこそが、いつか本当に困った時に、チームを動かす「神経」になるのかもしれません。
そして、いざその時が来たら、「どうしよう」で止まらず、「では、どうする?」。
そう問いかけられるリーダーでありたいと、私は思っています。
毎週月曜日に「改善ファシリテーション」をテーマとしたコラムを更新、
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国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。