【種類別】管理職研修の費用相場とは?内訳や費用を抑える方法、助成金を解説
管理職研修の導入を検討しているものの、「費用が高そう」「予算内で実施できるのか」と不安を感じていませんか?
管理職の育成は、企業の成長に欠かせない投資ですが、限られた予算の中で最大の効果を得るためには、費用相場を正しく把握することが重要です。
本記事では、階層別研修に豊富な実績を持つナレッジリーンが、管理職研修の目的や形式ごとの費用相場について解説します。また、研修費用を抑える具体的な方法や活用できる助成金制度についてもあわせてご紹介します。
【目的別】管理職研修の費用相場
目的別の管理職研修の費用相場は以下の表の通りですが、これらはあくまで目安です。研修の受講者数、研修期間、オンラインや対面といった実施形式によっても変動するため、計画時にはこれらの要素も考慮しましょう。
研修目的 | 料金相場 | 課金 単位 | 標準期間・方法 | 向いているケース |
知識インプット (法改正・マネジメント理論など) | 数千円〜1万円/人 | 1名 | 半日〜1日・座学/オンライン講義 | 新任管理職に基本知識を短時間で付与したい |
スキル習得(リーダーシップ・部下育成・コーチングなど) | 1万〜5万円/人 | 1名 | 1〜3日・演習/ロールプレイ併用 | 現場ですぐ使える実践スキルを定着させたい |
組織課題解決(離職率改善・風土変革など) | 50万〜100万円/クラス(1on1コーチングは40〜50万円/人) | 1クラスまたは 1名 | 2日〜数カ月・カスタマイズ/個別指導 | 自社の課題に合わせたオーダーメイド研修が必要 |
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知識のインプットが目的の場合
知識のインプットを目的とした管理職研修の費用相場は、1人あたり数千円から1万円程度です。このタイプの研修は、コンプライアンス研修や法改正・マネジメント理論などの特定分野の知識更新に最適です。
知識インプット型の研修は、グループワークやロールプレイといった実践的なワークショップと比較して、必要な講師数が少なく運営コストを抑えられるため、比較的リーズナブルな価格設定となっています。
研修時間は半日から1日程度で、座学が中心となるため、多くの管理職に短時間で同じ内容を学ばせたい場合に効果的です。
スキルの習得が目的の場合
リーダーシップやコーチング、部下の育成などのスキル習得を目的とした管理職研修の費用相場は、1日/1人あたり1万〜5万円程度です。このタイプの研修は1日から複数日にわたるカリキュラムが組まれており、知識インプット型の研修と比較して長期間の実施となるため、費用が高くなる傾向があります。
カリキュラムには座学だけでなく、ロールプレイングやグループワークといった実践的な演習も含まれていることが特徴です。参加者は実際の業務を想定した演習を通じて、スキルを身につけられるため、研修後すぐに現場で活用できるでしょう。
組織課題の解決を目的とする場合
組織課題の解決を目的とする管理職研修は、1研修あたり50万円〜100万円程度、1on1のコーチング形式では40〜50万円/人が相場です。
この価格帯が他の研修目的と比べて高額なのは、企業固有の課題に対応するためのカリキュラムのカスタマイズが必要となるためです。研修期間は数カ月にわたることが多く、経営層へのヒアリングを通じて、組織の現状を詳細に把握した上でオーダーメイドのプログラム設計が行われます。
【形態別】管理職研修の費用相場
講師派遣型やeラーニングなど形態別の管理職研修の費用相場は以下の表のとおりです。目的別の費用相場と同じように、研修を受ける人数やプログラムの内容によって費用が大きく異なるので、必ず見積もりを取るようにしましょう。
研修形態 | 料金相場 | 課金単位 | 標準期間・開催方法 | 向いているケース |
講師派遣型 | 30 万〜100 万円/日(著名講師は最大200 万円) | 1クラス (社内集合) | 1〜2日・対面 | 受講者が10名以上いてカスタマイズしたい |
eラーニング | 2,000〜5,000 円/月 または2〜6 万円/年 | 受講者ID | 自由視聴・オンライン | 拠点が分散し継続学習させたい |
公開セミナー(集合/オンライン) | 3,000〜30,000 円/人・回 | 1名 | 半日〜2日 | 少人数をスポットで鍛えたい |
講師派遣型研修
講師派遣型研修は、企業の要望に応じて専門講師が直接訪問し、社内で研修を実施する形態です。費用相場は1日あたり30万円から100万円程度となっており、著名な講師の場合は最大200万円に達することもあります。
この形態の研修費用は、参加人数にかかわらず発生するため、多くの管理職が同時に受講する場合は1人あたりの単価を抑えられることが大きなメリットです。
なお、基本料金とは別に講師の交通費や宿泊費などの実費が追加で必要になるケースが多いため、契約前に含まれる費用の範囲を明確に確認しておくことが重要です。予想外の追加費用を避けるためにも、見積もり段階で詳細な条件を確認しましょう。
eラーニング
eラーニング形式の管理職研修は、既存のコンテンツライブラリから必要な講座を選択して受講できる形態です。インターネット環境があればいつでもどこでも学習できるため、多拠点に管理職が分散している企業や、すきま時間に学習を進めたい場合に適しています。
費用相場は1人あたり月額2,000円〜5,000円程度となっており、年間契約を選択する場合は1人あたり2万円〜6万円程度が一般的です。多くのeラーニングサービスでは、ユーザー数に応じた従量課金制を採用しています。これにより、中小企業から大企業まで、それぞれの規模や予算に合わせた柔軟な契約形態を選択できることが大きな特徴です。また、繰り返し視聴できるため、研修で学んだ知識が定着しやすいこともメリットといえるでしょう。
公開セミナー形式
公開セミナー形式の管理職研修は、複数の企業から参加者を募る公開型の研修で、多様な企業の管理職が一堂に会して学びます。この形式の費用相場は1人あたり3,000円〜30,000円程度となっており、半日から2日間程度の短期集中型が一般的です。
特に費用を抑えたい企業にはオンラインで開催されるセミナーが適しており、交通費や宿泊費などの付随コストも削減できるメリットがあります。また、同一企業から複数名が参加する場合には団体割引が適用されるケースも多いです。少人数の管理職をスポットで育成したい場合や、特定テーマに絞った短期研修を実施したい企業に適した形態といえるでしょう。
管理職研修の費用の内訳
管理職研修を実施する際の費用は、講師側と参加者側の双方で発生します。
講師側の費用
- 研修プログラム基本料金
- 講師の交通費・宿泊費
- 教材開発費
参加者側の費用
- 受講料
- 参加者の交通費・宿泊費
- 会場費(社外で実施する場合)
- 資料印刷費
- 機材レンタル費(プロジェクターやマイクなど)
- 参加者の人件費(研修中の業務時間)
これらの費用をすべて考慮した上で、研修の総コストを算出し、予算計画を立てることが重要です。特に複数日程や遠方での研修実施の場合は、交通費や宿泊費などの付随コストが予想以上に膨らむこともあるため、予算が厳しい場合はオンライン開催など費用が抑えられる開催形式も検討しましょう。
管理職研修の費用を抑える方法
管理職研修の費用を抑える方法は以下3つです。
- 管理職研修の目的を事前に決めておく
- 研修の準備を社内で行う
- 複数の研修会社から相見積もりをとる
管理職研修の目的を事前に決めておく
管理職研修の費用を抑える方法として、まず研修の目的を事前に明確にしておくことが重要です。目的が曖昧なまま研修を計画すると、念のためという考えから必要以上に広範囲なプログラムを選択してしまい、結果的に予算オーバーを招きかねません。
この目的の明確化において重要なのは、「新任管理職のマネジメント研修」「管理職全体の部下育成スキルの向上」など、具体的なターゲットと研修の目的を絞り込むことです。明確な目標設定をすることで、研修会社も無駄のない効果的な研修設計ができるでしょう。
関連記事:管理職研修の目的とは?内容や現場で活かすためのポイントも解説
研修の準備を社内で行う
研修の準備を社内で行うことも重要です。たとえば、研修資料の印刷や会場設営、参加者への連絡調整などの準備を外部委託せずに、社内リソースで対応することで、外注コストを大幅に削減できます。
また、研修前の事前アンケートや課題の収集、分析なども社内で実施することで、研修会社に依頼する業務範囲を限定できます。これにより研修の実施そのものに予算を集中でき、限られた予算で自社の課題や目的に沿った管理職研修を依頼できるでしょう。
複数の研修会社から相見積もりをとる
管理職研修の費用が適切か見極めるために、複数の研修会社から見積もりを取得しましょう。研修会社ごとに料金体系やサービス内容は大きく異なるため、比較検討することで自社に最適な選択肢を見つけられます。
見積もりを比較する際は、単純に金額の安さだけで判断するのではなく、研修プログラムの内容や使用される教材の質、講師の経験・実績、さらにはアフターフォローの有無から評価することが大切です。安価であっても期待する効果が得られなければ結果的に無駄な投資になりかねないため、コストパフォーマンスを重視した選定を心がけましょう。
管理職研修で使える助成金
管理職研修の費用負担を軽減するには、国や自治体の助成金制度を活用することが有効です。特に「人材開発支援助成金」は企業の人材育成を促進する制度で、管理職研修にも適用可能です。また東京都では、eラーニングを活用した研修に利用できる「オンラインスキルアップ助成金」も提供されています。
これらの助成金は、企業規模(大企業か中小企業か)や業種によって支給額が大きく異なります。オンラインスキルアップ助成金の場合、研修費用の3分の2(限度額27万円)まで支給されます。
申請には事前の計画提出が必要なケースが多いため、研修実施前に厚生労働省や各自治体のホームページで最新の情報を確認し、早めに準備を進めることをおすすめします。適切な助成金を活用することで、質の高い管理職研修の費用を抑えながら実施できるでしょう。
参考:人材開発支援助成金|厚生労働省
参考:オンラインスキルアップ助成金|公益財団法人東京しごと財団
まとめ
管理職研修の費用は、研修プログラムの内容や目的、対象となる管理職の人数、研修期間、実施形式(対面・オンライン・ハイブリッド)などにより、大きく変動します。知識インプット型の場合は1人あたり数千円から、組織課題解決型では100万円程度までと幅広く、企業の課題や目的に応じて最適な研修内容を選びましょう。
管理職研修の費用を抑えるためには、研修の目的を明確化や社内リソースの活用、複数の研修会社から相見積もりを取ることが効果的です。さらに、人材開発支援助成金などの助成金制度を活用することで費用負担を軽減できるでしょう。
ナレッジリーンでは、経営課題や現場の状況に応じた最適な管理職研修プログラムを個別にご提案しております。費用についても、ご要望をお伺いした上で最適なお見積りをご用意いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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