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「慣れ」から発生する見逃し│ハザードやリスクを検知する視点

目次

多くの工場や職場さんの現地をご訪問すると、案内をしてくださるご担当者様から、よく言われることがあります。
それは「よく気付きましたね!」です。

どうやら、ご担当者様は、職場の風景に「見慣れ」てしまっていて、変化や異常に気付きにくい「意識」になっている様なのです。

そこで、今回は「慣れから起きる、見逃し」についておはなしします。

職場のハザードやリスクを見逃さないために!
普段気付かない事に気付くには、振り返ることが大切です。

見逃しのケースは色々

ケース1
以前、品質管理上「異物の付着源」があってはならないプロセスなのに、油がプロセス上部から垂れているのを見つけたことがあります。
これについて、その現象と想定される不具合の話を担当者の方に伝えると
「よく気付きましたね。私達には、見慣れた風景の一部になっていました。」
とのこと。

ケース2
ある工場で、工場長が毎日現場を回り、気付いたことをメモしたり、周囲に伝えながら、日々の改善ネタの提供をしていました。
そんな中、ある日、私がその現場を回ったとき、工場長が気付いていないことを見つけ、それを、工場長に伝えました。
すると工場長は、「よく気付きましたね。私は、気付いていませんでした。」と。

私達の脳は、急激な変化に対しては「直ぐに気付く」ことができますが、緩慢な変化に対して「気付く」ことなく「見逃し」を起こしやすくなる特徴があります。

きっと、担当者の方も、工場長も「見慣れた風景」として、
モノゴトを見ていたために、気付かなかったのでしょう。

その場所を見て、状況や状態を何度も見ていると、それが「普通」になってしまい、物珍しさへの意識が薄くなる状態が起きているのです。
この状態は、不具合や異常を認知しにくくなるので、ハザードやリスクの見逃しの原因となり、不適合現象を潜在化させます。

「見慣れ」を無くすためには、どのようにしたら良いのでしょうか

私は、「普段と違った視点職場を見つめる」ようにしています。
例えば

・普段と違うコースで職場を歩いて見る
・歩きながら、振り返って別視点で見る

例えば、「労働安全の意識を高める」や「5S活動」の無料診断で職場を見せて頂く時、担当者の方が、職場を案内してくださるのですが、担当者の方と「同じ視点」で見歩くと、同じことにしか気付かなくなってしまいます。

ですから、意識的に、許可を頂いて案内して頂くコースを外れてみたり、歩きながら振り返ってみたりしながら、別視点で職場を見るようにしています。

時には
・違う高さ
・違う方向
・違う確度

など、意識すると良いと思います。
こうすることで、別視点が得られ、リスクやハザードの潜在化を軽減することが出来るのです。

また、チームで職場巡回をするときには、メンバー同士「同じ視点」で見る傾向が強くなるようです。チームでは、あらかじめ「別視点で職場を見てみよう!」と意識付けを行うことも大切です。

同じ視点では、慣れが生じる。
慣れは、見落とし/見逃しが起きる。
時には、逆方向から見てみる。

職場のハザードやリスクを見逃さないために、振り返って、新しい別視点で職場を見つめてみませんか?


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坂田 和則さん画像
マネジメントコンサルティング2部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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