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問題解決をあきらめない力│レジリエンスを高める

目次

問題解決レジリエンスを高めることの大切さ

問題が起こるたびに、面倒くささや喪失感が沸き起こり、根本的原因を追及しないまま、それを繰り返す。

これが続くと、問題解決力そのものが低下してしまいます。
今回は、「 問題解決をあきらめない力 」についておはなしします。

新技術やテクニックを会得しても、問題解決レジリエンスが高まらなければ、意味がありません。
問題解決を最後まであきらめない力。
それは、責任感や当事者意識といったスケールで語られることが多くあります。
さらに、詳細に分解をすると、次の心理的要因が関係しています。
その要因とは次の通りです。

・感情抑制力:短期的な感情の変化に気付き、目的をぶらさない力。
・衝動抑制力:目的やゴールを持たないまま行動するコトを避ける力。
・共感力:周囲の人が抱く感情や思いを理解する力。
・楽観力:なんとかできそうだ!と思う力。
・分析力:モノゴトを細かく分け、より多くの側面からモノゴトを把握する力。
・学習力:教わったコトができるようになるまで、繰り返す力。
・自己効力感:自分にはできる、できそうだと確信する力。
・リーチアウト:周囲への人やグループ等に接しようとしたり、様々な側面から問題へアプローチしようとする力。

これら要因が、有機的に絡み繋がり合い、問題解決や改善のレジリエンスが高まるのです。
レジリエンスは、「打たれ強さ」とか「最後まであきらめない力」などの意味があります。
そして、これらを高める”人財育成”が必須です。

数年前、実際にあったお話です。 

生産ラインのチョコ停チョコトラが、数分毎に発生している職場がありました。
その職場では、そのトラブルが発生するたびに、装置のリセットボタンを押したり、製品の並べ替えを繰り返していました。

私は、この装置の不具合だから修理することを提案したのですが「装置自体が古く、修理をしても直らない」という答えが返ってきました。
どうやら、メーカーに来てもらい修理を試みたようなのですが、メーカでさえお手上げだったそうです。

これらの経験が積み重なり、不具合が多発する装置が”定常状態である”という”当たり前感”が心理的に醸成されていました。
これらの状況をレジリエンスを構成する8要素と対比すると、次のようなことが起きていたのです。

・装置は直らないという確信から、本来の目的を見失っている。(感情抑制・衝動抑制の低下)
・みんなが困っているコトなのに、気付かぬふりをしている。(共感力の低下)
・もう、どうしようもないという意識。(楽観力・学習力・自己効力感の低下)
・別の側面から、問題にアプローチしようとしない。(リーチアウト力の低下)

この組織では、装置の故障という側面から、「修理をメーカーに頼む。」という行動が展開されていました。
つまり、技術的に”何とかしよう”と、その問題にアプローチをかけていたのです。
そして、何度も”失敗”を繰り返すうちに、レジリエンスも下がりきってしまったのです。

受け身の状態では改善は進まない

レジリエンスの低下は、問題そのものを偏って認知してしまうため、さらに失敗を繰り返し、負のループが回りやすくなります。
結論からいうと、この問題は技術的に解決に導けたのですが、それ以前に下がりきったレジリエンスの回復が先決でした。

問題解決を進める場合、IT化やDX化などの技術的革新も大切ですが、その職場で働く人達の”レジリエンス”も同時に育成しなければなりません。

もし、レジリエンスを高めないまま、革新的技術を導入しても「その技術を使うのでなく、使われる。」という受け身の状態が起きてしまい、その後の改善につながらなくなります。

これらが、その組織の問題解決力をさらに低下させてしまうのです。
新技術やテクニックを会得しても、問題解決レジリエンスが高まらなければ意味がありません。

技術革新や問題解決テクニックを向上させることも大切ですが、メンタルの育成も同時に進めなければなりません。


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坂田 和則さん画像
マネジメントコンサルティング2部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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