【EcoTopics】省エネ設定の活用による設備の運用改善

目次

一般的な施設で使用されている設備のうち、省エネ設定が可能な設備がいくつかあります。省エネ設定を有効に活用することで、専門知識が無くても、手間をかけずに設備の運用改善が可能です。本コラムでは、筆者の省エネルギー診断の経験から、多くの施設で活用されていないと感じた省エネ設定について、解説いたします。

多くの施設で活用されていない省エネ設定

(1)パッケージエアコン(業務用エアコン)の場合

           

 設定温度や風向、風量、タイマーの設定変更については、一般的に知られている内容かと思いますが、比較的新しい機種では、さらに以下のような設定がリモコンでできる場合があります。室内の快適性を損なわない範囲で設定を行うことで効率良く設定温度の管理が可能です。ガスヒートポンプエアコンについても同様の機能が付いている場合があります。 

① 設定温度自動復帰

設定温度を変えても、一定時間経過後にあらかじめ設定した基準温度に自動で復帰します。例えば、冷房時に基準温度27℃、復帰時間30分をあらかじめリモコンで設定をしておくと、夏季の日中に設定温度を26℃に一時的に下げた場合でも、30分後には自動で27℃に戻ることになります。この設定を活用することで、冷やしすぎ、暖めすぎによる無駄を減らすことができ、省エネを図ることができます。

② 設定温度範囲制限

設定温度の上限・下限の制限が可能です。冷房時は下限値、暖房時は上限値を設定しておくことで、冷やしすぎ、暖めすぎによる無駄を減らすことができ、省エネを図ることができます。

(2)貯湯式電気温水器の場合

             

一般的に給湯室のシンクの下やお手洗いの洗面台の下に設置されている設備となります。貯湯式であることが多い電気温水器では、以下のような設定ができる場合があります。

①   省エネモード

過去の運転状況を学習し、あまりお湯を使わない時間帯は設定温度の管理する範囲を緩和し、湯温を維持します。使用状況によりますが、OFFの場合に比べて、沸かし上げる頻度が減少し、省エネを図ることができます。

②   夏OFF運転

お湯が不要となる夏季の運転を休止することが可能です。貯湯式は、お湯を使わなくても設定温度を維持するためにエネルギーを消費しますが、休止することで省エネを図ることができます。長期間、使用しない場合は水質劣化を防ぐため、別途タンク内のお湯を抜いてください。指定曜日運転モードやサマータイムの設定などもできる場合があります。

(3)温水便座の場合

             

便座や洗浄用の温水をヒーターで加熱しておりますが、以下のような設定ができる場合があります。ご家庭の温水便座でも同様に設定できるので、あわせてご確認ください。

①  おまかせ節電

過去の運転状況を学習し、あまり使わない時間帯に便座温度のみ自動で「低温」にします。便座温度が低温となることで、省エネを図ることができます。

②  タイマー節電

設定してから、毎日同じ時間帯に便座と洗浄用の温水のヒーターを自動で「停止」にします。例えば、21:00に9時間のタイマーを設定しておくと、翌日の6:00まではヒーターが停止することになります。便座と洗浄用の温水のヒーターが停止することで、省エネを図ることができます。また、おまかせ節電との併用もできる場合があります。

まとめ

以上、省エネ設定の活用による設備の運用改善について解説いたしました。これらの機能は、一度設定してしまえば自動で設定内容に基づき管理してくれるため、手間をかけずに実施することができます。ただし、全館停電を実施するような規模の大きい施設では、停電時に設定内容がリセットされてしまう可能性があるため、停電後には、設定内容をご確認ください。設備の取扱説明書に設定手順などが分かりやすく記載されていますので、一度ご確認いただければと思います。保管されていない場合でも、メーカーのウェブサイト等で簡単に取扱説明書を見ることができます。

電気代の高騰、エネルギー消費によるCO2排出の抑制に、是非このような機能を活用いただくことをお勧めいたします。

(令和6年2月 公共コンサルティング部 藤﨑)


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