【Youtube】労働安全 ⑥│○○○○○重視○○重視のバランスが労働安全の鍵
※本コラムは、上記動画「【労働安全】労働災害ゼロ化のための安全意識を高める ~その6~」を要約した内容になっています。
皆さん、こんにちは。
株式会社知識経営研究所(旧社名・現:ナレッジリーン)の坂田と申します。
今回はメタ認知を高めて、安全意識を向上させることを目的とした動画をお届けします。
前回は、清掃しながら難しい箇所を見つけ、メタ認知を高め、その知識を適切なタイミングで活用する、という思考の習慣づけについて話しました。
今回もメタ認知についての話を続けたいと思います。
よろしくお願いします。
メタ認知を育てるポイント
メタ認知的知識をインプットし、その知識を作業シーンでダウンロードすることで、危険に気づくことができます。
メタ認知を高める方法は様々あり、メタ認知を高めることで、いろんな効果が生まれます。
例えば、新5S思考術の清掃では、清掃時にテーマを持って取り組むことで、自分から考える力が身につきます。
人は、他人から言われたこと以上に、自分で考えたことはきちんと行動します。
他には、自分のことを客観視できるようになります。
これをやったら危ないな、といったように、年齢や体調を考慮して無茶な行動を避けることができます。自分の限界を認知し、限界を超えないような、行動抑止にもつながります。
訓練を通じて、自己客観視を強化することが有効です。
自分の中にもう一人の自分がいて、常に安全を意識しながら行動することが大切です。
ご本人さんともう一人のメタ認知さん、この二人が頭の中で対話することで、行動が安全サイドの方にに動いていきます。
これからの安全教育には、メタ認知に関する教育、メタ認知を高める教育を取り入れていく必要があります。
この動画シリーズの1作目でもお話ししましたが、ルール設定や安全保護具の義務化などは、物質タスク型の安全衛生マネジメントです。
この動画でお話ししている内容は、どちらかというと人間のメンタル面、考え方に重きを置いています。ハード的な物質タスク型と、ソフト的な人間重視型のバランスが大切です。
メタ認知を高めるトレーニングを訓練計画に盛り込み、この二つのバランスをとることが、労働安全により効果的です。
問題検出力・問題定義力
では、どのように問題検出力を高める訓練をしていけばいいでしょうか?
前回もご紹介させていただきました、新5S思考術による清掃、清掃しにくい場所や歩きにくい場所を見つけることが有効です。
これによって、何がいけないかという問題検出力を高めることに繋がります。
あとは、人間の行動や心理を理解し、問題提起力を高めることが大切です。
これは、物事を原理原則で考えることが重要です。高いところで物を取る際に、自己防衛本能が働いて、転ばないようにする意識が強くなること、などが例として挙げられます。
そもそも人間はどのように考えるのか、人間はどのように物事を認知するのか、といったような、物事の原理原則を考えながらアプローチする能力を、問題定義力といいます。
この能力を伸ばすことも非常に重要です。
問題分析トレーニング・解決行動トレーニング
他には、問題分析トレーニングや解決行動トレーニングも重要です。
例えば、私たちが行っている、「なぜなぜ分析」や「PM分析」など、大きな問題をいくつかに分けて、分析するテクニックがあります。
その時の思考方法がメタ認知を高めるトレーニングになります。
情報整理術
情報整理術は、労働安全衛生だけでなく、すべての物事・マネジメントに通じるものがあります。
説明する側と、聞く側がしっかり聞く訓練をすることが必要です。
説明する側は分かりやすく説明する能力、これはリーダーに必須な能力です。
聴く側は、人の話をしっかりと聴く力。
これらがないと、伝わるものも伝わりません。
説明する側と聴く側、両者に謙虚な姿勢が必要です。両者が同じ気持ちでコミュニケーションを取らなければいけません。
教わったことをしっかり覚えておくことや、読書術(ものを読むこと)にも慣れさせていかなければなりません。
人間重視型のトレーニング
コミュニケーショントレーニングやビジネス心理、チームビルディングなんかも、メタ認知を高めるために有効です。
これができないと、自分が危険を察知しても、他の誰かにそれを伝えられなかったり、他の人からの警告を受け入れられなくなったりします。
非常にこれは危険です。
コミュニケーションの崩壊と表現したりしますが、本当に労働安全のリスクになります。
人間重視型のKYTトレーニングも重要です。
陰から物が落ちてくる、床が滑るといったような、物質タスク系のヒヤリハットが意外と多いです。
ハッとびっくりするといった、驚いたときの人間の行動は予測できません。
こういった、心理的な驚き、感情の変化などに対処するKYTトレーニングを行うことで、人間重視型のバランスをとることができます。
後は、現場改善指導や5Sパトロール、労働安全パトロールも重要です。
既に実践している企業様も多いと思いますが、「~~が危険だから注意してください」では効果はありません。
「なぜ」危険なのかを、きちんと伝えることがとても大切です。
今回は、メタ認知を高めるための訓練方法について紹介しました。
労働安全衛生に関する教育訓練やトレーニング計画のご参考にしていただければと思います。
最後までご視聴ありがとうございました。
また次回もご視聴いただければ幸いです。
お体に気をつけて、また次回お会いしましょう。
ありがとうございました。
失礼いたします。
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