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LABプロファイル®とは │ あなたのコミュニケーション力を把握する

目次

LAB プロファイル ® でみる、あなたのコミュニケーション力

仕事でも家庭などでも、対話が成立しなくなってイライラすることがあると思います。
伝えたことが伝わっていなかったり、間違って伝わっていたり、多くの困りごとが日々起きていることでしょう。
なぜ、このように、対話の質が悪くなってしまうのでしょうか?

それは 、LAB プロファイル®の視点でみると、
「あなたは、あなたの伝え方で伝えている」からなのです。

あなたの話が相手に伝わらない本当の理由

あなたには、あなたの優位性があり、相手には相手の優位性があります。
もし、あなたが視覚優位(Vタイプ)で、相手が聴覚優位(Aタイプ)だったとしましょう。
するとあなたは、物を見せたり、絵を見せたり、写真を見せたりしながら説明をする行動が多く発生します。

しかし、聴覚優位性(Aタイプ)の相手は、言葉で説明を受けることを好むタイプなので、あなたの説明にストレスを感じてしまうのです。
このストレスが多くなればなるほど、相手のモチベーションが下がったり、継続しなくなってしまいます。

あなたが、相手の優位性に合わせた説明をすることで、「相手の話を聴こう!」というモチベーションが高まり、継続するのです。

対話に活かせる、2つの知識体系

対話は、言葉を使って人と人の間で行われる情報交換です。
この情報には、声にだした言葉、文字、図形などで取り交わされます。
そして、その情報は目・耳等を使って受信し脳に伝達された後に、脳内で情報処理が行われ、あなたはその意味を意識することができます。

私たちは言葉の魔術と言われる LAB プロファイル ®の研究をする上で、対話というものを理解するために、行動主義、神経学、言語学、認知心理学、一般意味論などの関連分野も理解しなければと思っています。

言葉を交わすだけではなく、自ら対話について考えられるようにするためにも、ちょっと難解なことでも理解しておくことで、柔軟な思考を得られます。NLP(神経言語プログラミング)は、これらの知識体系をわかりやすくまとめた学問です。

NLPとは?

NLPとは、神経言語プログラミング(Neuro-Linguistic Programming)と言われる知識体系で、1977年より「NLP10分間恐怖症治療法」で世に知られるようになりました。

ヘビやトカゲに対して恐怖心を抱いている人に、10分間の対話をするだけで、それを無くしてしまう治療法です。
この知識体系は、心理学者のリチャード・バンドラーと言語学者のジョン・グリンダーが深く関わり、行動主義、神経学、言語学、認知心理学、一般意味論等から集められた知識を体系化しながら開発されました。

また、心理療法の匠と言われる、ヴァージニアサティア(米国の心理療法家)やフレデリック・パールズ(米国の精神科医、精神分析医)他の治療方法を研究し、7つのパターンを用いて治療を行っていることをバンドラー博士が発見。
これらの発見したパターンには、言語学が大きく影響するとグリンダー博士が参加し大きく発展しました。

NLPでは、脳はコンピュータの様なものと考えます。

インプットされた信号に対して脳コンピュータが処理をして動作や感情の変化を含めた行動をアウトプットします。
この時、脳コンピュータでは、プログラムローディングされてインプットされた信号を処理しますが、ローディングされるプログラムが人によって違いがあるとされています。

NLPでは「もし、脳がもつプログラムを書き換えることができたなら?」との考えがベースにあり、書き換えることで、へビへの恐怖症が消え失せたり、ストレスに感じていることも軽減又は逆にモチベーションを上げるきっかけに変化させたりすることができるようになります。

コーチングなどでも、このメソッドは大きな効果を持つ知識体系です。

講師の坂田は、コンサルタントという仕事を通じて、年間約延べ3400名以上の方の前でお話をさせていただいておりますが、講演やセミナーでも、まず最初にNLPのメソッドを用いて「誰もが楽しめる話しをする」というプログラムを自分にインストールすることで、多くの方から「わかりやすかった」や「楽しかった!」などの高い評価を頂いており、NLPの力に助けられ続けています。

LABプロファイル ®とは?

NLPから派生・発展をしている知識体系がLABプロファイル ® です。
NLPの研究者として知られるレスリー・キャメロン・バンドラーが開発したNLPメタプログラムの体系をロジャー・ベイリーが整理してまとめた知識体系です。

脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。
また、文献によっては、メタ・メタ・プログラムという、さらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。

ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーや、サブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。

この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。
 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。

この時、シェリーから「あなたのお仕事はなに?」と聞かれ
「私の仕事は、改善コンサルタントです。でも、テクニカルな改善だけではなく、改善モチベーションを上げるコーチが得意分野です。」
と、片言の英語で話をしたら、

「KAIZEN!知っているわ。素晴らしいじゃない。あなたなら、きっと、みんながKAIZENを楽しむような雰囲気を作るのでしょうね!」と言われたことが思い出です。(坂田和則)

モダリティーとサブモダリティー

私たちの脳は、各器官で捉えた信号を神経を通じて受け取っています。
例えば、目は光を感じて、信号に変化して脳に伝えています。

耳は空気振動をキャッチし、その信号を脳に伝えます。
鼻からは匂いが伝わり、口からは味が。
皮膚からは、熱/冷たい、痛い/かゆい、触れているなどの温度や感触が伝わってきます。

私たちの体は、脳から見るとセンサーに囲まれている様な物なのです。
このセンサーで信号をキャッチし、神経を通じて脳に伝達され処理されることで、私たちはモノゴトを意識することができるのです。
この、各器官が受信した光(電磁波)・音(空気振動)・匂い(化学物質)・味(化学物質)・感触(圧力、温度等)のことをモダリティーという名称がついています。
対話の時には、視覚・聴覚・触運動覚が主に使われます。

この代表的なモダリティーを使うことで、脳は何を認識しているのでしょうか。
私たちの脳は、モダリティーをキャッチすることで、物理的・化学的な事象を認識しているのです。

代表的なモダリティー


モダリティーの優位性

対話において視覚(Visual)聴覚(Auditory)情動覚(Kinesthetic) のモダリティーを脳はキャッチをしながら、モノゴトを理解します。
実はもう一つの覚があります。それは、視覚と聴覚の中間的な感覚なのですが、読解覚(Reading)という感覚が存在します。

文字を見て(V)頭の中で言葉という音に変換(A)してモノゴトを理解するパターンです。
多くの人は、文字を見て、読んで、頭の中で言葉にして理解をしていると思いますが、頭の中でブツブツと言葉にしていることを「脳内言語」といいます。
速読をされる方は、脳内言語を使わず文字の意味を直接理解し、効率的に読む能力が備わっているそうですが、一般的には、文字を言葉という音に変換して理解しているはずです。

そして、この4つのモダリティーは、人によって特徴があります。
ある人は、視覚からの情報が理解しやすかったり、別の人は言葉(音)の情報が理解しやすかったりといった脳の特性も持っています。

あなたは、どのような特性を持っていると思われますか?ちなみに、この特性のことを優位性と呼びます。

脳の認識パターン


サブモダリティー

モダリティーを受信して、サブモダリティーを形成することで私たちは状況や情報を理解することができます。
また、理解した後には、判断・決断を行い行動を起こすというプロセスの流れが発生します。さらに細かく分けると次の様なプロセスの流れが並んでいます。

モダリティー

統合

価値観照合

信念との照合

サブモダリティーの形成

の順番です。
サブモダリティー形成前の各プロセスでは、実は情報をねじ曲げる様なことがあります。

正しく伝えるためには?

モダリティーを受信して、サブモダリティーを形成する「人はなぜ間違いを起こすのか?」を追及する心理学をヒューマンエラー心理学といいますが、ヒューマンエラー心理学では、勘違い・早とちり・無意識な行動という現象が説明されています。
これらは、サブモダリティー形成目前のプロセスで、なんらかのモダリティーの省略が起こっている可能性があるのです。

対話でも同じで、サブモダリティー形成前になんらかの省略が行われいた場合、あなたの話したことは正しく相手に伝わらなくなります。
また、省略の他にも、歪曲・一般化と呼ばれる現象があり、サブモダリティー形成の阻害をしています。
これらを回避するためにも、メタプログラムを学び、相手が省略・歪曲・一般化を起こさないようにしなければなりません。

ヒューマンエラー


省略・一般化・歪曲

省略

先日、毎日通勤に使っている道をゆっくりと歩いてみたときのことです。
いつも歩いている道なのに、突然道ばたに古い石碑が建っていることに気付いたのです。
現実の世界では、石碑はそこに存在しているのに、私は、日常下においては石碑のサブモダリティーを形成できていなかったことになります。

脳は、最も少ないエネルギーで情報を処理する。
という原則があるため、私の脳は、通勤で忙しい朝に石碑が存在していても、それを省略してしまっていたのです。

石碑の存在を処理するより、通勤のことを考えた方がエネルギーが少ないからなのでしょう。この現象を「省略」といって、対話においても発生しやすい現象です。

相手は、最も少ないエネルギーであなたの話を聴こうとしているので、意識の向かない部分の話は省略をしてしまいます。
これを予防するためにも、相手の思考のクセとも言われるメタプログラムをあらかじめプロファイルしておくことで、相手の意識を高めることができます。

一般化

昔の自動ドアは、ドアの前にマットが引かれており、このマットの上に足をのせて体重(加重)をかけることでセンサーが反応し、ドアが自動的に開くシステムでした。
私は、自動ドアの前に立つと、当たり前のようにマットに足を乗せて体重をかけていました。
これが、一般的な自動ドアだから「どこへ行っても同じようにすれば良い!」と思っていました。

脳は、最も少ないエネルギーで思考するので、このように「一般的にどこでも一緒」と記憶してしまうと、どの自動ドアの前に立っても、マットの上に体重をかけるという行動をするようになります。このことを「一般化」と呼びます。

時代は進み、最近の自動ドアは手でタッチして自動的に開くタイプが増えてきました。
このタイプに初めて遭遇したとき、私の脳では最も少ないエネルギーで思考し、一般化がはじまり、何度も足下に加重をかけた恥ずかしい思い出があります。

この一般化も、対話の中で起きやすい現象です。
対話をファシリテートしたいと思うのなら、相手の一般化の変化も促す必要があるのです。

歪曲

カーナビゲーションシステムを使って「今日は、快適なドライブをしよう!」と、ここの道は湖の側を通るから、青い空と光り輝く湖面をイメージしてワクワクしながらハンドルを握ると、現地へ行ってみたら、未舗装で水たまりだらけの酷い道で、車は汚れるし、跳ね上げた石でボディーに傷がついた・・・・・・・

LABプロファイル®では「地図はその土地そのものではない」と繰り返しトレーニングの中に出てくるのですが、これは「あなたの脳は、想像、妄想、幻想をしているから、相手と対話をするときには、想像、妄想、幻想を取り除いて対話をする必要もある」という教えだと私たちは理解しました。

これには、価値観や信念が大きく影響を及ぼしています。
その結果、脳は思考をしながら歪曲をしてしまい、事実や現実を正しく把握できなくなるのです。

「今日は、リーダーシップ研修だと聞いてきたのですが、参加してみたらすごく楽しくて、ためになりました!」と言われるケースが少なくありません。
これは、受講される方がセミナー前に、セミナーに対するイメージ形成をして「眠くなる、つまらないセミナーだろう」を歪曲をされていたのでしょう。

もちろん、私は、セミナー開始から15分以内にこの歪曲を取り除くためのワークを行い、皆さんが楽しく学ぶというモチベーションを高められるようにしています。
この時にも、メタプログラムをプロファイルするテクニックを駆使して行っています。

メタプログラムとは?

代表的なモダリティー(VARK)を脳が受け取り、サブモダリティーを形成しながら、私たちは、モノゴトを認識し理解することができます。
また、習い事なども、サブモダリティーが形成されることで、脳内に新しいプログラムが形成され、習ったことが出来る様になります。

とは言っても、脳はコンピュータみたいなもので、プログラムが無ければ、モダリティーを処理することはできないし、判断・決断や行動をおこすこともできません。
私たちは、モダリティーを受信し、脳内にインストールされているメタプログラムがダウンロードされ、サブモダリティーを形成し、モノゴトを理解したり認識したり、そして、判断・決断や行動を起こすことができるのです。

LABプロファイル®は14個のカテゴリーと37個のパターンから構成

LABプロファイル ® では、メタブログラムが14個に絞られ、その枝葉の様に詳細なパターンが特定されており、パターンは37個に分かれています。

この、カテゴリーとパターンを理解することで、対話において相手のメタプログラムを理解して進めることができるので、相手にとっては、ストレスフリーであなたとの対話に参加できる様になります。

あなたが、相手のメタプログラム特性にあわせた話し方をすることが大切です。

「えっ!14個のカテゴリーと、37個のパターンを使いこなすって、大変じゃないですか?」とよく驚かれるのですが、164個のメタプログラムを学ぶより、格段に整理された体系なので、とても学びやすい内容です。
少ないとは言え、14個のカテゴリーと37個のパターンを学ぶことは、ちょっと大変かも知れません。

しかし、対話というものはこれくらい勉強しなければファシリテート(円滑に進む)させることはできないのです。
色々と大変なこともありますが、楽しみながら対話のファシリテーターを目指してください。
これを会得することで、相手のメタプログラムを特定することができ、相手のサブモダリティーをも形成しやすくなります。

LABプロファイル


LABプロファイル ® 活用事例

LABプロファイル®を構成する2つのグループ

LABプロファイルを構成する2つのグループ


LABプロファイル®開発した、ロジャー・ベイリーは、数多くあるメタプログラムを実用的なものとするために整理し、2つの大きなグループに分けました。

1つは「動機付けの特徴」と名付けられ、ひとが特定のコンテクスト下において、どのようなきっかけでモチベーションが高まるかといったグループです。
2つ目のグループは「内的処理の特徴」と名付けられ、特定のコンテクスト下において、その人がどのように思考し、周囲への応え、判断を下すかといったグループです。

または、前者がモチベーションを上げ、後者がモチベーションを維持するためとも説明されることもあります。

この2つのグループに属するメタプログラムを応用して、対話のモチベーションを高めたり、維持させたりすることができるのです。
対話のシーンにおいて、相手のモチベーションと高めると共に維持させることはとても大切です。

具体的には、相手のメタプログラムに合わせた話し方、そして、相手のサブモダリティー形成を容易にする話し方です。

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坂田 和則さん画像
マネジメントコンサルティング2部 部長
坂田 和則

国内外において、企業内外教育、自己啓発、人材活性化、コストダウン改善のサポートを数多く手がける。「その気にさせるきっかけ」を研究しながら改善ファシリテーションの概念を構築し提唱している。 特に課題解決に必要なコミュニケーション、モチベーション、プレゼンテーション、リーダーシップ、解決行動活性化支援に強く、働く人の喜びを組織の成果につなげるよう活動中。 新5S思考術を用いたコンサルティングやセミナーを行い、現在、企業支援数が190件以上及び年間延べ3,400人を越える人を対象に講演やセミナーの実績を誇る。

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